こんにちは!ラクです。
「なんで部下が
そんなことを…
注意するのはイヤ
…だけど
部下の成長のためには、
注意しないと…」
…そんな風に悩んだこと、ありませんか?
まさにこれこそが管理職の仕事という感じもしますが(笑)
流れを押さえておけば、そこから微調整できます。
今回は、ぜひ押さえたい「5つのステップ」のご紹介です!
私が対応したケース
私が実際に対応に当たったのは、以下のような部下のケースでした。
- 顧客への説明も説教臭く、他部署へクレーム
- 事務処理に時間がかかりすぎて、部署に迷惑がかかる
- 何を説明するにも曖昧で、誤解を生じる
- 若いのに態度が傲慢で、他人の反感を買う
- こちらから何を説明しても言うことを聞かない
- 自分のやり方に固執して、会社方針に従わない
- 早く帰りたいがゆえに、仕事が雑過ぎる
- 不思議な思考をし過ぎて、顧客から疑問が上がる
- 外見が汚すぎて、女性陣から嫌がられている
上司が取るべき5ステップ
「どう声を掛けたらいいんだろう…」
そう思う気持ちは、とても良く分かります。
だからこそ進行イメージを膨らませておくことは、
心の負担を軽くしてくれます。
以下が全容です。
上司としての役割を認識し、部下を良く観察すること
クレームや失敗も事実ベースで話す。感情的になるのを避け、成長も同時に記録する
聞いたことは記録する。(具体的な話し方についてはGROWモデルなど)
道具主義段階・他社依存段階・自己主導段階の見極めと、それに沿ったアプローチ
無理に成長を促すことは、返って逆効果になるかも…
ではここからは、各ステップについて見ていきましょう!
Step 1: 心構えを持つ
まず、
「上司としての心構え」を持っておくことが重要です。
これがすべての「土台」になります。
そして、以下のような考え方は、
避けるべきです。
上司経験が浅いと、
つい「人事考課の基準」を優先しがちです。
しかし、
「そんなに単純な問題じゃない」んですよね。
結局
人事考課の項目なんてテンプレートにしか過ぎません。
個別のケースは、
事実に基づいて確認すべきです。
Step 2: 事実を伝える
ここが特に大事なところです。
本人が受けたクレームや、それを改善するために取った活動などの記録を取ること
これまでに発生したクレーム案件や
話し合いの経緯などについては、
キチンと記録に残しておきましょう。
1月10日:A社から対応が遅いとクレームを受ける
1月23日:B者からも同様のクレームを受ける
2月 5日:クレームが他の部署からも入る
2月 6日:未処理案件が大量にあったことが発覚する。優先順位を決める。
2月12日:新規案件については、課内の他の人に振り始める
2月20日:担当顧客数を5割減らす
3月 5日 : 未処理案件の処理が終わる
3月 6日 : 新規案件を再開し始める
事実の記録は、何よりも大切です。
以下のようなメリットがあります。
・お互いに感情的になることを避けることができる
・これまでの改善活動の試みや改善状況も、良く分かる。
・部下が恨みを以て、訴えを提起してきたときの備えにもなる
・労働基準管理署(労基署)の調査があった際の準備にもなる。
Step 3: 本人の考えや言い分を聞く
本人の話を聞く上で、
特に気を付けておきたい点は以下です。
- 本人を更生する
- 人生の悩みを解決する
- 長々と話を聞く
心のケアが必要そうだと思ったら…
心理カウンセラーや産業医などに
相談するように促すこと。
オンラインカウンセリングもオススメです。
管理職としては、それだけでいいんです。
むしろ、そこの線を越えてはいけません。
本人の「人生の課題」は、本人のものです
マネージャーがどうこう言うべきものでは無いんです。
逆にそこに踏み込み過ぎてしまうと、
変に人間関係がこじれるだけではなく、
マネージャーが本来行わなくてはならない仕事に
時間を割くことが難しくなります。
部下との話しのコツは、以下もご参考まで。
Step 4: 部下のタイプ別アクション
ここから、部下のタイプ別に考えていきます。
私も実際に参照した以下の名著の内容をお借りします。
心理カウンセラーの方からご紹介いただいた本です。
大きく分けて、以下3つのタイプに分かれます。
(ブログの趣旨に合わせ、少し割愛しています)
① 自分に関係することにしか、関心を寄せない部下
② 上司には従順だが、意見を言わない部下
③ 自律性が強すぎて、他者の意見を無視する部下
「あ、自分の部下は、このタイプだなぁ」と思ったのでは?(笑)
タイプ別の注意点
少し気を付けたいことがあります。
先ほど同じく…
実際はこんなに単純じゃないということです。
このようにカテゴリーに分けて考えることは、
対策を立てやすくしてくれます。
一方で…
逆に「あぁこのタイプか」と思って固執することも、危険です。
もし自分が部下の立場で、
上司から以下のように言われたら、どうでしょうか?
あなたは自律性が強いから、他人の言うこと聞かないタイプですよね
こんな風に自分の上司に言われたら…やっぱりイヤですよね(笑)
自分の部下もそう思われると良い気分ではありません。
カテゴライズはあくまで「ざっくりとしたもの」と捉えておいてください。
それを踏まえて、部下のタイプごとに考えていきましょう。
①自分のことにしか関心が無い
これは先ほどの著書のp71以降に
「道具主義的段階」として示されています。
以下はその大事な部分の抜粋です。
大体10人に1人の成人が、この段階にあるようです。
「あいつは使えない」
「こいつは利用価値がある」とか、
そんな考え方ですね。
「白」と「黒」で、
スパッと2つに世界を分けて考えがちです。
しかし、
現実はもっと混沌としていて、
人間の価値観や知識、
考え方や信念も様々です。
こういった部下には、
以下のような問いかけが良いでしょう。
「会社としては、なぜこの仕事をすることが必要なんでしょう?」
「あの先輩はどういう考えがあって、この仕事をあなたにお願いしたのでしょう?」
「この言動を取ると、お客さん(あるいは同僚など)は、どう思うでしょう?」
このように問いかけることで、
「相手の考え方を考えてみる」ことを促します。
ただ、相手の考え方は、
文字通り「相手の」考え方です。
つまり今は
「当人の中に今存在しない価値観」です。
すぐに理解することは容易ではありません。
(著書では、
少なくとも5年から10年かかると述べています)
ただし、
「他者の考えを考える」ことを
促すことで、
時間を短縮することが可能です。
②上司には従順だが意見を言わない
これは先ほどの著書のp108以降に
「他者依存段階」として示されています。
以下はその大事な部分の抜粋です。
大体10人に7人の成人が、この段階にあるようです。
この段階では、
まだ自分の価値観がハッキリしていないようです。
だからこそ、
自分の意見や考えなどを口にするのが難しいです。
ゆえに、
「指示待ち人間」と言われてしまうこともあるかも知れません。
こういった部下には、
以下のような問いかけが良さそうです。
「この仕事、もっと効率的にするためにはどうしたらいいと思う?」
「お客さんに喜んでもらうために、何か考えてみてもらえるかな?」
もちろん、
最初は戸惑うことも多いかと思います。
それでもこのような問いかけを続け、
自分の考えを示してくれるようになってくれるのを
待ってみましょう。
自分の言葉を言語化してもらうことが、
自分の価値観を形成することに繋がります。
③自律性が強すぎて言うことを聞かない
これは先ほどの著書のp152以降に
「自己主導段階」として示されています。
以下はその大事な部分の抜粋です。
大体10人に2人未満の成人が、この段階にあるようです。
主体的に行動できることが強みである一方、
自分の価値体系に盲目的になりかねない。
自分と異なる考え方や意見を「本当の意味で」
受け入れることが出来ないかもしれないそうです。
この段階にある部下は、
過去の成功体験から、
自分に自信を持っていることも多いです。
自分の意見を否定されると、
持論を展開して制圧したくなるような感じにもなります。
もし、「成長に悩んでいる」場合は、以下のような問いかけが良さそうです。
「今、そのようにお考えになられるのは、どういう前提がありますか?」
「今の意見、興味深いですね。ちょっと書き出して客観的に見てみましょう。
主張や論理に、弱みはありそうですか?」
(書き出すことは、
自己意識から「切り離される」ような雰囲気を作ってくれるのでオススメです✨)
このように、
他者の視点を受けれられる器が作られていくような成長を目指します。
「自分の意見と自分は、別のものだ」
そんな認識をするようなアプローチが良いでしょう。
Step 5: 焦らないこと
ここまでの流れで、
何となくイメージは湧きましたか…?
最後に、著書のp90には
とても大事なことが書かれています。
強引に人を成長させようとするのではなく、
その人にふさわしい課題と支援を提供しながら、
その人自身で変わっていただくということが大切
私たちはついつい
答えを「教えて」あげたり、
あるいは無理に
成長させようとしたりします。
自分に子供がいると、
痛いくらい分かりますよね(笑)
しかし、
無理に成長や発達を促そうとすると、
どこかで成長が止まってしまう
…そんな調査結果もあるようです。
(「ピアジェ効果」と呼ばれる概念)
まとめ
最後に全体を見直してみましょう。
上司としての役割を認識し、部下を良く観察すること
記録やデータに基づいて話し、感情的になるのを避け、成長も見せる
聞いたことは記録する。(具体的な話し方についてはGROWモデルなど)
道具主義段階・他社依存段階・自己主導段階の見極めと、それに沿ったアプローチ
無理に成長を促すことは、返って逆効果に
いかがでしたでしょうか?
自分と同じように、
部下の方もすぐに変わるのは無理でしょう。
コツコツと、
上司としてやれることを、
やっていきましょうね!