こんにちは!ラクです。
Chat GPTとかClaudeとかに頼りすぎると…
自分で考えることをしなくなって、アホになる!
そんな風に思う人がいる一方で…
「AIに頼りすぎてはいけない」という人がいるけど…
使わない方がバカなんじゃないの?
…という人もいるかと思います。
まさに、賛成派と反対派の戦国時代!(笑)
Chat GPTやClaudeなどの多くの答えは、一見するとバランスが取れているように見えます。
確かに、AIに全てを任せてしまえば、自分で考える機会が減りそうです。
創造力や問題解決能力が衰えてしまう可能性も、否定できなさそうです。
しかし、ここで立ち止まって考えてみたいのは以下の点です。
私たちは本当に、AIの助言を素直に受け入れるのか?
ケース1:火事のときの対応
例えば、以下のようなケースはどうでしょうか?
あなたの家が火事になりました!大切な家族がまだ中にいるといます。緊急事態です。
そんな状況で、AIに助言を求めたとしたら…?
その場で沸き起こっている自分の感情、
火が回っている状況、
周囲への被害、
消防車が来てくれるまでの時間など…
様々なことが頭を駆け巡ると思います。
もし、優れたAI技術によって、客観的な要素を多く瞬時に捉えることが出来たとしましょう。
その際に出た答えが…以下のようなものだったらどうでしょうか?
仮にその答えが妥当そうに見えたとしても…それに従うでしょうか?
ケース2:職場での人間関係
では、職場における人間関係の問題は、どうでしょうか?
あなたの職場で深刻な人間関係の問題が発生しました。チーム内で激しい対立が起こり、プロジェクトの進行が危ぶまれる状況です。そんな状況で、AIに助言を求めたとしたら…?
その場で感じる緊張感、
対立の原因となった経緯、
各メンバーの性格や立場、
プロジェクトの締め切り、
上司や他部署からの圧力など…
先ほどのケースと比べて緊急性や重要性は全く違うものの、考えないといけないことは多そうです。
もしAIの技術が更に進化し、客観的な要素を多く瞬時に捉えることが出来たとしましょう。
その際に出た答えが…以下のようなものだったらどうでしょうか?
こちらも先ほどの例と同じで、AIの答えに自分は従うのでしょうか?
AIのメリット
「家が火事になった」ことも、「職場で人間関係のトラブルに巻き込まれた」ことも、全く違う問題です。
両方のケースにおいて、AIを使用することの共通するメリットは以下のようなものが挙げられます。
- 客観的な視点
-
感情や個人的なバイアスに左右されずに状況を分析できる。
- たくさんの情報を瞬時に提供
-
膨大な情報を瞬時に処理し、関連する知識や指針を素早く提供できる。
- 複数の角度からの情報
-
様々な角度から問題にアプローチし、複数の解決策や行動選択肢を提案できる
これらは人間がすぐにできるものではありません。
人間がやろうとすると、膨大な訓練や時間が必要になりそうです。
AIのデメリット
逆に、AIを使用することによる共通の「デメリット」は、何かあるのでしょうか?
例えば以下のようなことが考えられます。
- 「微妙さ」を把握できない
-
現場のリアルタイムの状況や微妙なニュアンスを完全に理解することができない。
- 責任の所在の不明確さ
-
助言に頼りすぎると、誰が最終的な決定の責任を負うのかが不明確になる。
- 感情の欠如
-
人間特有の感情や直感を完全に理解し、それに基づいて判断することができない。
こう考えると、これらは確かにとても「人間的」な感じがしますね(笑)
AIがすぐに出来るものでは無さそうです。
ケース1の回答
ここまでの回答をありきたりにまとめると…
だから、AIのメリットとデメリットをちゃんと理解して、正しく使いましょうね!
…になるかと思います(笑)
しかし…
もう一度火事の例と、職場の人間関係の例を思い出してみてください。
火事の例では、以下の答えがAIの「模範回答」でした。
仮にAIにそう答えられたとしても…
きっと何とかして家族を助けられる方法を考え、行動するはずです。
よって、AIに対して更に情報を与え、以下のように聞いたりしませんでしょうか?
ケース2の回答
同様に、職場の人間関係の例についても考えてみましょう。
以下がAIの回答だったとします。
仮にAIにそう答えられたとしても…
きっと何とかして、チームの和解とプロジェクトの成功につながる方法を考えると思います。
よって、AIに対して追加情報を与え…
以下のように聞いたりしませんでしょうか?
AIの出力に現れる「偏り」
ここまででお分かりいただけるように、私たちは「自分たちが満足する回答を得られるまで、AIに聞き続ける」ということをしそうです。
AIの使用を根本的なところまで掘り下げていくと…
メリットとデメリットを考えることや、状況に応じて活用するべきなどというレベルの問題では無いという気がします。
火事のケースにおいても、職場のケースにおいても、仮にAIがバランスの取れた回答を出したとしても、人間がその回答に対して「偏り」を与えようとします。
そもそも、最初の「バランスの取れた回答」に関しても、人間側の質問(入力)に偏りがあれば、答えも偏ります。
つまりは、以下のことが言えます。
AIの出力は、私たちの入力次第
AIの出す答えは、私たちが「何を聞くか」「どのように聞くか」に大きく依存していると言えます。
AIの矛盾
これは面白いもので、少し矛盾をはらんでいます。
先ほどお話しした、「AIを使うことのメリット」をもう一度挙げてみましょう。
客観的な視点の提供
迅速な情報アクセスと処理
複数の選択肢の提示
つまり…
AIの回答は、バランスが取れていて、膨大な情報の中から複数の選択肢を提示してくれているとあります。
しかし、以下のような可能性は考えられないでしょうか?
AIの「バランスの取れた回答」は、一見バランスが取れているように見えても…
先ほどの火事や職場の例もそうですが、自分が欲しい答えに誘導しています。
そしてそれは…決して客観的でないだろうと言えるでしょう。
ここまでのまとめ
AIと人間の思考力の関係は、単純に「依存か独立か」という二元論では捉えきれなさそうです。
むしろ、AIと人間がそれぞれの強みを活かしながら、より良い結果を生み出していく協働の関係を目指すべきでしょう。
AIを賢く活用しつつ、自分の頭で考え、判断する力を磨いていくことが、AI時代を生きる私たちに求められる知恵なのかもしれません。
AIの「偏り」を、どのように活かす?
ではここからは、以下の本を参照にお話ししていきます。
また、再度以下の例を使って考えてみましょう。
あなたの職場で深刻な人間関係の問題が発生しました。チーム内で激しい対立が起こり、プロジェクトの進行が危ぶまれる状況です。どうしたらいいでしょうか?
同著では、「観察」・「分析」・「伝達」の3つの人間の能力が大切であるとしています。
これにAIを加えると、どのように変えられるかを検討したいと思います。
観察
同著では、状況を客観的に観察し、さまざまな角度から分析することの重要性が強調されています。
誰が関与しており、何が原因で対立が生じているのか…その背景には何があるのかを観察します。
- 行動
- 言葉
- 表情
- 非言語コミュニケーション(身振り手振り)
- 声のトーン
これらを注意深く観察し、情報を集めます。
そういった状況の全体像を理解できるのは、やはり人間の脳です。
AIの助言に頼る前に、まずはこれらのことをじっくり観察することが大切です。
個人的にオススメな方法は、以下です。
「自分の脳が捉えた情報が、偏っていないか?」を確認するために、AIを使う
AIだけではなく、脳が捉える情報も、当然「偏り」があります。
そこでAIを利用し、「脳の偏りを修正」するために「AIの偏りを利用する」というイメージですね。
分析
同著でも述べられているように、情報は解析し、優先順位をつけ、意味を抽出する過程が大切です。
AIを使用することで得られる情報は客観的なデータに基づいていますが、データの解釈には人間の判断が必要です。
今回のケーススタディで言えば、対立が生じている両者または複数の関係者の立場や感情、要求を理解し、それぞれの目的と対立点を明確にします。
そういったところは、もしかするとAIのチカラが役に立つかもしれません。
よって、先ほどの「観察」とは逆になりそうです。
「分析」の過程においては、まずAIを使い、それから自分の脳で考えてみると効率的
もちろん感情的な要素や直感は、AIが捉えきれない部分であり、人間独自の分析能力が求められます。
AIの分析結果を以て、人間のそういった感情や直感部分を検討していく方が、まずは客観的な分析ができそうです。
伝達
非難や批判を避け、客観的かつ建設的な方法で情報を提供することをどのようにして行うか?
同著では、伝達する際には明確で理解しやすい方法を取るべきと述べています。
ここもポイントを押さえて広範囲を網羅した情報を伝達する場合、AIが役に立ちそうです。
「分析」のところと同じで良いのでは無いでしょうか?
しかし、当然人間による最終チェックが必要で、自分が伝える情報が、伝達する相手にとってどのような意味を持つのかを人間が考える必要があります。
伝達においては、ポイントはAIに考えさせても、最終的には自分で考える
今回はここまでです!
ご覧いただき、ありがとうございました~