(翌朝。 トクコの家)
はーちゃん:「トクコ、おはよ。
…眠れた?
トクコ:「うん。
でもなんか、
昨日のケンジ君のこと、
ぼやっと頭に残ってるわ」
はーちゃん:「残ってるって…
良い意味で?」
トクコ:「うーん、
わからん…
朝と夜では、全然ちがったけど」

はーちゃん:「…いいんじゃない?
まずは話せたのなら」

トクコ:「…そうやな。
まぁ、今日もあるしな。」
(オフィス。
トクコが自分の席に着く)

(トクコ:さて…
今日は何があるかな…)
ツトム:「おっ、トクコさん、
おはようございます!」

トクコ:「あ、おはようございます…
ツトムさん、早いですね」

ツトム:「自分、
だいたいこの時間ですよ。
早く来て、
頭が動くうちに
仕事片付けるんで」
トクコ:「そうなんですか」
ツトム:「トクコさんも、
早起きタイプですか?」
トクコ:「いやぁ…
早いとは
言えないかも(笑)」
ツトム:「じゃあ鍛えましょう!
朝の一時間は
夜の二時間ぶんありますよ。
自分の経験上!」

トクコ:「いやぁ…
あははは…💦
そ、そうなんですね」
(トクコ:…明るい人やな。
元気がある。
さっさと動く感じ)
(ツトムは既に資料を広げ、
電話をかけ始めている)
ツトム:「あ、もしもし、
A社の田村さん?
例の件、
今日中に動かしたいです。
午前中に
確認させてもらえますか?
はい、はい。
ありがとうございます!」
(トクコ:…速いな。
朝イチで、もう動いてる)

ツトム:「マナミさん、
例の発注データ、
お昼までに出せますか?」
マナミ:「…今日の昼は、
少し難しいかもしれません」
ツトム:「じゃあ何時なら?」
マナミ:「…三時であれば」

ツトム:「三時ですね、
分かりました。
ケンジくん、
それまでにこっちの集計、
終わらせといて」

ケンジ:「あ、はい!
でも、少し量が多くて…」
ツトム:「大丈夫、できる。
やれば終わるから」
ケンジ:「…は、はい!」
(トクコ:…うん?
ケンジ君の声、
少し上ずった。
でも、
ツトムさんはもう
パソコンに向いてるな。

…速い。
決断が速くて、
指示が速くて、
次に行くのが速い。

効率的、なんかな。
うん、効率的には見える。
でも… 何か、
引っかかるなぁ…)

(昼休み)
ラク:「トクコさん、
お昼は?」

トクコ:「あ、後でいいかなと思って。
なんか…ぼーっとしてた。
てか、ラクくん…
あ、いや、ラクさん??」
ラク:「ラクくんでいいですよ。
この姿の相手に、
『さん付け』は変でしょ」
トクコ:「それ言うなら、
子供がオフィス街で
コーヒー飲んでる姿の方が
よっぽど変なんやけど」

ラク:「…はは。
そうかもしれませんね。
で、何か考えてましたか?」
トクコ:「うーん。
ツトムさんのことが、
なんとなく頭に残っていて」
ラク:「ツトムさん…何が?」
トクコ:「それが…
うまく言えへんねん。
変な人やとか、
困った人やとか、
そういうわけじゃないんやけど」

ラク:「でも、引っかかる」
トクコ:「…うん。
何かが、引っかかる」
ラク:「……
…その『引っかかり』、
今はそのままに
しておいてください」
トクコ:「え?」

トクコ:「え?
解決しなくていいの?」
ラク:「まだ、
解決するタイミングじゃない。
引っかかったことを、
引っかかったまま持っておく。
それも観察には大切です」
トクコ:「…引っかかったまま、
持っておく?」
ラク:「はい。
名前をつけようとしなくていい。
理由を探そうとしなくていい。
ただ、
『何かある』と思っておくだけで。
そうすると、目が変わります」

(トクコ:…目が、変わる?
どういうこと?)
次回について
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第一話は、以下から!
~エピソード 0~ – ラクとトクコのいる職場 (managerbeginner.com)
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シーン別 – ラクとトクコのいる職場 (managerbeginner.com)
参考文献について
なお、この「ラクとトクコの職場(ストーリー編)における「トクコの能力」は…
FBI、CIA、スコットランドヤード、アメリカ陸海軍、ナショナルガード、シークレットサービスなど、名だたる機関に対して行われた「エイミー・E・ハーマン」さんの「知覚の技法」を基に作っています。
つまり、実在する技法です。
しかし、もちろん本ストーリーに合うため、少し大げさにしています(笑)
まだまだ序の口なので、これからどんどん「実生活に活かせるような形」でご紹介できればと思います。
本書では、アートを教材として情報収集能力、思考力、判断力、伝達力、質問力などを鍛えるコツが記載されています。

