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40代・50代がもう少し楽に生きるために
ラクとトクコのいる職場~40代からのサバイバル~
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  2. ~エピソード19~見えることと、正しいこと

~エピソード19~見えることと、正しいこと

(朝、トクコの家)

はーちゃん:「トクコ、

       この前買ったパン、

       今日が賞味期限だよ。

       食べちゃわないと」

 

トクコ:「食べる食べる。

     ありがとー」

 

はーちゃん:「…なんか、

       ぼーっとしてない?」

 

トクコ:「え、そう?」

 

はーちゃん:「うん。

       なんか、

       遠くを見てる顔」

 

トクコ:「あー…

     なんか、

     ツトムさんのこと、

     やっぱり頭に残ってて」

 

はーちゃん:「まだ引っかかってるの?」

 

トクコ:「うん。

     解決したわけじゃないし…

     なんか、

     もやっとしたまま」

 

はーちゃん:「トクコは

       よく観えるからね。

 

       まぁ、そのパン

       食べながら考えたら?」

 

トクコ:「(笑)

     そうする」

 

 

(トクコ:… なんやろな。 

給湯室の、あの時間。 

ツトムさんが、

一人になったときの不自然さ。

うーん…)

 

はーちゃん:「ね、行かなくていいの?

 

       時間、やばくない?」

 

トクコ:「あっ!ホンマや!

     いってきます💦」

 

はーちゃん:「いってらっしゃい(笑)」

 

(午前、オフィス)

(トクコ:今日は、 

 ちゃんと見よう。 

 でも、探しすぎない)

 

(しばらく、
それぞれが仕事をしている)

ユカ:「ツトムさん、

    昨日の件、

    おかげで助かりました。

    ありがとうございました」

 

ツトム:「いえいえ!

     大したことしてないんで」

 

ユカ:「そんなことないですよ。

    本当に助かって」

 

ツトム:「あー…

     まぁ、

     でもユカさんが

     ちゃんとやってたから、

     ですよ。

     ちょっと手伝っただけで」

 

ユカ:「そうやって言ってくれるの、

    ツトムさんらしいですね」

 

ツトム:「あははは。

     じゃ、次行きますね」

 

(トクコ:…あれ? 

ツトムさん、褒められてた。 

感謝されてた。 

でも…なんか、

受け取ってなかった…?

照れ隠し?謙遜?

「次に行く」? 

 

(昼休み 休憩スペースにて)

 

ケンジ:「トクコさん、

     今日のランチは何ですか?」

 

トクコ:「今日はおにぎり二個。

     ケンジ君は?」

 

ケンジ:「またコンビニです。

     今日はチキン南蛮弁当」

 

トクコ:「昨日は唐揚げやったやん。

     揚げもん続きやね」

 

ケンジ:「いいんですよ、

     揚げもんは正義なんで」

 

トクコ:「あはは(笑)

     そういう考え方もあるか」

 

 

ケンジ:「あ、そういえば」

 

トクコ:「うん?」

 

ケンジ:「ツトムさんって、

     自分のこと、

     あんまり話さないですよね」

 

トクコ:「…そう?」

 

ケンジ:「はい。

     仕事の話はするんですけど、

     なんか、

     ツトムさん自身のことって、

     あんまり聞いたことなくて。

     休日何してるとか、

     趣味とか」

 

(トクコ:…ふむ…確かに)

 

ケンジ:「なんか、

     あと、

     ツトムさんって

     休んだことあるのかな、

     って思って」

トクコ:「休んだこと?」

 

ケンジ:「いや、なんか、

     ずっと動いてるし…

     それに朝一番に来て、

     昼も短くて、

     帰りも…

     自分より遅いですし。

     …ちょっと、

     大丈夫かなって

     思うときがあって」

 

トクコ:「…うん。そうやね。

    確かにたくさん

    動いて

    助けてくれるしなぁ」

 

(トクコ: ケンジ君も、

 感じてたんやなぁ。)

 

ケンジ:「あ、

     これおいしいですよ。

     チキン南蛮。

     今度、

     ぜひ食べてくださいよ」

 

トクコ:「はは(笑) 分かった、

     今度食べてみるわ~」

(二人、また何でもない話に戻っていく)

 

(午後、トクコの席)

 

 

(トクコ:… 

ケンジさんは、

動いてる方が、落ち着く。

仕事は全部、自分のところに戻す。

仕事で感謝されても、

受け取らずに生返事。

そして自分のことは、話さない…

常に次・次・次…か。

 

なんか少しずつ、

繋がってきたかも。

 

まだ、言葉にはならんけど…)

 

??:「…コさん… 

トクコさん…?

もしも~し?」

 

トクコ:「はっ!」

 

マナミ:「トクコさん、大丈夫ですか?」

 

トクコ:「あ、はは、つい…

     ちょっと考え込んでしまって」

 

マナミ:「例の、

     輸送途中で損失が出た件、

     承認申請を出したので、

     ご確認お願いします。」

 

トクコ:「あぁ、うん。ありがと。」

 

マナミ:「…なんだか、

     時が止まっている

     みたいでしたよ?」

 

トクコ:「うん」

 

マナミ:「…今日のトクコさん、

     やばいですね」

 

トクコ:「うん?」

 

マナミ:「…だってほら、ノートも逆」

 

トクコ:「…あーーー…ほんまや💦」

 

マナミ:「ちょっと急いでいるので、

     すぐメール

     見ていただけますか?」

 

トクコ:「ああ、うん。ごめん

     …って…

     …あ…」

 

(トクコ:…時間が止まる?

 

ツトムさんにとって、

止まるってどういうことなんやろ。

 

止まったら、何もなくなる?

そんな風に

思ってるのかもしれない。

 

動いてること、

頼られること、

必要とされること、 

 

…そうでないと

ここにいる理由がなくなると、

そんな風に思っている?)

 

トクコ:「あ、私、行かなきゃ…」

 

マナミ:「どっ…どこに!?

    もう!

    承認が先ですよ!」

  

(夕方、屋上のベンチ)

トクコ:「ラクくん、

     ちょっといい?」

 

 

ラク:「どうぞ」

 

トクコ:「なんか、

     今日…

     ちょっと、

     見えてきた気がして。

     ツトムさんのこと」

 

ラク:「そうですか。 

    …どんなふうに?」

 

トクコ:「…うーん。うまく言えるか

     分からんけど」

 

ラク:「うまく言えなくて、

    大丈夫ですよ」

 

トクコ:「…ツトムさんって、

     すごく動く人やん。

     止まらないし、

     頼まれたら全部やるし」

 

ラク:「はい」

 

トクコ:「で、

     感謝されても、

     なんか、

     受け取らずに返してて。

     自分のことも、

     あんまり話さなくて」

 

ラク:「…はい」

 

トクコ:「…なんか、

     全部を並べてみると、

     ツトムさんって、

    止まることが、

    怖いのかな、

     って思って。

 

    止まったら、

     何もなくなる、

     みたいな…」

 

ラク:「…何もなくなる、

    というのは?」

 

トクコ:「…

     動いてること、

     頼られること。

     …それがなくなったら、

    自分がここにいて

     いい理由が、

     なくなる…

     そんな風に思ってるのかも

     …って」

 

(ラク、少しの間、黙っている)

 

ラク:「…よく見えましたね」

 

トクコ:「…合ってる?」

 

ラク:「さぁ…

    合ってるかどうかは、

    ツトムさんにしか

    分かりませんね。

 

    でも、

    よく見えていると思います」

 

トクコ:「…なんか、

     それ聞いて、

     少しだけ、

     ほっとした。

     なんか、不安やったから」

 

ラク:「トクコさん」

 

トクコ:「うん?」

 

ラク:「見えることと、

    正しいことは、

    違います。」

 

ラク:「今のトクコさんのお話は、

    観察から見えた解釈…

    いわゆる【分析】です。

   

    その分析は、

    丁寧に事実を積み上げてから

    行わなければならない。

 

    …

    でも、トクコさんのことです。

    きっと、

    「事実の観察」を丁寧に

    されたうえでの、

    分析ですよね?」

 

トクコ:「…うん…まぁ、たぶん」

 

ラク:「分析は仮説です。

    そして、

    その仮説を立てられたなら、 

    次のステップに進めますね」

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