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40代・50代がもう少し楽に生きるために
ラクとトクコのいる職場~40代からのサバイバル~
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  2. ~エピソード32~ありがとう

~エピソード32~ありがとう

バウ:「ワシの知る限りを

    話そう。」

 

はーちゃん:「今、ここで

       砂時計を

       出せるんですね」

 

バウ:「あぁ。ワシとラクは、

    念じることで呼び出せる。

 

    …

    この砂時計は

    古い伝承に

    名前だけ残っていたものだ。

 

    ただ、伝承は断片的でな。

 

    どこまでの力があるのか、

    ワシ自身も

    全ては知らない」

 

はーちゃん:「…知らない?」

 

バウ:「この砂時計は、

    ラクと出会うまで

    長い間、眠っていた。

 

    眠っている間は

    ワシも力を

    感じ取れなかった。

 

    ラクと出会い、

    あることがきっかけで、

    目覚めたのだ」

 

はーちゃん:「あること…?」

 

バウ: 「背景はまたいずれ話そう。

    

    まずこの砂時計の説明だ。

 

    上に残っている砂は、

    ラクがまだ

    手放せていないものだ。

 

    …単純に言えば、

    乗り越えられていない

    後悔のようなものだろう。

    …それが、まだ上にある」

 

はーちゃん:「…これは今、

      落ちているように

      見えているけど、

      実際には

      今は砂は落ちておらず

      止まっていますね…

    

      何がきっかけで

      下に落ちるのでしょう?」

バウ:「これは推測だが…

    

    ラクの観察力が、

    トクコを通じて

    誰かの役に立つたびに、

    砂が落ちる。

 

    …あるいは、

 

    トクコが大きく成長するたびに、

    砂が落ちる…

 

    下に落ちて溜まることは、

    ラク自身の心が

    強さを取り戻していることを

    示すのではないかと

    ワシは見ている」  

はーちゃん:「…

       つまり、

       トクコの成長が、

       ラクさんの回復に 

       繋がっている…

       ということですね」

 

バウ:「おそらく…な」

 

はーちゃん:「…まさか、あなたは…

       だからトクコを

       リーダーに…?

   

       彼女の成長を促し、

       ラクさんを救うため?」

 

バウ:「…いや、それは違う。

   少なくともワシはトクコを

   リーダーに推薦したとき、

   この砂時計の仕組みは

   まだ分かっていなかった。

 

   トクコの類まれな観察力を知り、

   何かのきっかけにと思い、

   ラクと繋ぎ止めたかっただけだ。」

 

はーちゃん:「……」

 

バウ:「ここからも更に推測だが、

    砂が全部下に溜まったとき、

    この砂時計は反転する。

    

    それはつまり、

    これまで逆転していた

    ラクの時間が

    元に戻るということになる。」

 

はーちゃん:「元に…?」

 

バウ:「要するに、ラクは

   大人に戻れるのではないかと、

   ワシは思っている」

 

はーちゃん:「…大人に戻る…」

 

バウ:「多分な。

    もしそうなら、

    そのときは近い。

 

    現に、砂時計は

    共鳴だけではなく、

    トクコの大きな成長に応じて、

    ラクに過去を見せている」

 

はーちゃん:「過去を…

       どういうことですか?」

 

バウ:「ラクは一度、

    過去の世界に引き込まれた。

    あの頃のラク自身と、

    そしてあの娘が

    いた世界に…

 

    ラクを試しているのか、

    それとも…

 

    過去を修正する機会すら

    与えようとしているのかも

    しれない」

 

はーちゃん:「…過ぎ去った時間を

      変えることができると?」

 

バウ:「ワシにも、

    確かなことは分からない。

    そんなことが起きれば、

    確実にタイムパラドックスだ。

 

    砂時計が

    そこまでの力を持つとすれば、

    伝承に残っていた

    どんな力よりも

    大きなものだ。

    

    …それに関しては、

    正直非常に恐ろしいと

    ワシは思っている」

 

はーちゃん:「…ラクさんが仮に

      砂時計に試されていると

      したら…

      何を試されて

      いるのでしょう?」

 

バウ:「……

    過去に失った人…

 

    いや…それ以上に、

 

    自分と

    向き合うことだろうな。

 

    …その多くは今、

    まさにラクがトクコから

    学んでいると言ってもいい」

 

はーちゃん:「…そうですか」

 

バウ:「ここまで話して、

    ようやくお前さんに

    伝えられることを

    今、伝えておきたい。」

はーちゃん:「…なんでしょう?」

    

バウ:「…それは、

    お前さんが

    トクコのそばにいることが、

    ラクの時間を

    動かしているのかもしれない

    …

     ということだ。」

 

はーちゃん:「……」

 

バウ:「トクコが成長するたびに

    砂が落ちるなら、

 

    トクコの成長を

    一番近くで支え、

    見守り、

    優しく包んできた

    お前さんの役割は、

    小さくない。

   

    トクコだけじゃない。

    ラクにも、

    ワシにとってもな。」

 

はーちゃん:「…ありがとうございます。

      まさか他の誰かに

      そんな風に

      言われる日が来るとは…」

 

 

バウ:「いや、

    礼を言うのはワシの方だ。

    ありがとう。」

 

 

 

(その日、
夜のオフィス
)

 

 

 

 

  

  

  

 

 

 

(ラク:ケイ…

     

    すまなかった…)

 

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