こんにちは!ラクです。
今回もお悩み相談!相談者は「カヤ」さんです。
カヤさんは、信頼している部下が仕事の負担増に不満を抱き、モチベーションが低下していることに悩んでいます。部下は自分の裁量が少なく、他の社員の尻拭いばかりしていると感じており、報われない状況に不満を抱いています。カヤさんは、他の部下とのバランスをどう取るべきか悩んでいます。
管理職としては、部下のモチベーションは永遠の課題かも!?
今回も、会話式でラクたちが答えていきます!
キャラクター紹介
ラク
大手ペットフードのサプライチェーン事業部部長。あることから子供の姿になってしまったが、実際は40歳。トクコの上司。
トクコ
劣悪な人間関係の職場から逃げるようにラクの会社への転職。類まれな観察力を見込まれ、28歳でリーダー職に抜擢。新米の管理職。
バウ
ラクが子供になったときに、一緒にいた犬。かつて地域の犬を率いた暴走族「独愚風土」のリーダー。組織や社会のこと、人情には詳しい。
ラクたちのキャラクターについては、ぜひ「ストーリー編」をご覧くださいね!
なお、今回の内容は以下の著書を参考にしています。
状況の確認
カヤさん、こんにちは!お悩み相談室に来てくれて、ありがとう!
いいえ~!こちらこそ、ありがとうございます!
今回の相談者は…ずいぶんエネルギッシュだな
えぇ!?そ、そうかしら…
悩みなんてなさそうだが…どうしたんだ?
実は、最近部下の仕事が遅くて…以前の2倍近く時間かかったりして、困ってるの
それは、以前はそうじゃなかった…ということでしょうか?
そうなのよ。以前は察して色々な仕事をしてくれていたんだけど…最近は頼まないと何もしてくれなくなってしまって
あらら…どうしたんやろ…
部下と話し合いもしたの。そうしたら、「仕事をやればやるほど、押し付けられている感じがして、疲れてしまった」って
いわゆる「モチベーションの低下」かな
何か嫌になる理由でも、あったのでしょうか?
いつか自分の裁量で仕事ができると思っていたみたいで…でも、他の社員の尻拭いしかやらせてもらえないことが、イヤみたいね。
カヤさん、すごい。よく部下のこと、理解してるなぁ
いやいや~そんなことないのよ。でも、たとえ分かっていたとしても、どうしたらいいか分からなかったら、同じかもね
状況を「分析」する
今回はさっそく、「3面アプローチ」を使って考えていきましょう
3面アプローチ?
CIAの訓練マニュアル「情報分析の心理」で紹介されているアプローチだ
このアプローチでは、集めた情報の中から重要度の高いものを抽出するために、自分に三つの質問をするんよ
●私は何を知っているか
●私は何を知らないか
●そして何を知らなければならないか
うーん…なんだか、難しそうね
ひとつひとつ、丁寧にやっていきましょうか。まず「私は何を知っているか」ですね。
これはもう、カヤさんが教えてくれてるから、まとめるね
信頼していた部下がモチベーションを失い、業務効率が下がっていること。部下は負担に感じており、自分の裁量権が増えないことに不満を抱いている。また、他の社員の尻拭いに多くの時間を費やしていると感じていることも分かっている。
あら!まとめるの、上手ね!
いやいや、そんなことねぇよ
なんでやねん!💥まとめたの、私!
では次は…「私は何を知らないか」ですね
カヤさん、結構部下にもう色々聞いてるしなぁ
知らないことに気づくって、難しいね。どうしたらいいんだろう。
陰性所見という考え方
ひとつの方法としては、「本来あるべきものが、そこにない」と言う風に考えるのも手です
あるべきものが、ない?
救急医療では、これを「陰性所見」と言います。日常的な医療場面での例を出しますね。
「熱があり、咳も出ているので風邪を疑った。
しかし、肺の音を聴診器で確認したところ、肺に異常な音(呼吸音の異常)がなかった。」
診察の結果、肺炎を示す所見(異常な呼吸音)がなかったため、肺炎の診断を否定できた。
これは肺炎ではないことを示す『陰性所見』。
つまり何かが「ない」という結果から得られる情報。
これにより特定の病気や状態を除外するのに役立つ。
ほうほう。こんなのがあるのか。勉強になったわ
うーん…あるべきものが、無いかぁ…
まぁ単純なとこで言うと、「他の部下はどう思ってる」んだろうっていうのも「知らないこと」だな。
なるほど。それは確かにそうですね。周囲の反応は、考えなくてはならない情報ですね
他の部下たちについては、特に不満な様子はないんだよね…もちろん仕事の量や質には違いがあるけど、彼らはあまり積極的に不満を口にしないかな…
じゃあ部署全体の問題とかじゃなく、この特定の部下だけの問題ってことね
「何を知らなければならないか」
「あるべきものが、無い」という点では、もうひとつあります。もしかしたらこれは、次の「何を知らなければならないか」にも通じる点かも知れませんが…
えっ…何なに?
カヤさんは、この部下が求めるキャリアの目標みたいなものを知っていますか?
え?うーん…そういえば、そこまでは聞いてなかったな…
その将来の目標を知り、「その目標に近づくにはどうしたらいいか?」を明確に示してあげる必要があるかと思いますが、いかがでしょうか?
なるほど…彼の将来の目標が、「私が知るべきこと」か
最近「報われない」って思ってきたのは、いくら頑張ってもその道が見えないなって思ってきたからかもね
そうか…そうね…もっともだわ。裁量が欲しいって言っていたのも、きっと目指したいキャリアがあるのね
まぁ…そうは言っても、だな
え?
すぐに昇進させるとかも無理だし、描いたキャリア通りにならないことなんて、会社員はいくらだってあるぞ
すごいわね!このワンちゃん。そのとおり!なんでそんなこと、分かるの?犬なのに
フッ…ワシはこれでも、族のヘッドだったんでな…
俗なヘッド?頭?脳とか思考が雑なの?
すごいカヤさん!そのとおりよ!
誰が雑だ!「族のヘッド」、だ!
今と未来を結びつける方法
そうすると、ひとつ疑問が浮かんできます
今、部下が頑張っていることは、彼が描いている未来に続くのか?
うーん… これも難しい質問ね
現代の「すぐに結果を求める傾向」といえば、それっきりですが…もしクリアでないのであれば、優先順位の観点からは、まず彼の業務量をコントロールするべきですね。
そうね…
ちょっと思ったんやけど…もし「裁量」が欲しいのであれば、現在お願いしている仕事について、もっと裁量をあげるというのは?
それは…どういうこと?
たとえば「今これだけの仕事量をお願いしているけど、もっと効率的なやり方を考えて欲しい。やり方は任せる」みたいな…
あっ…なるほどねー!
なるほどな。他にも、たとえば彼が将来マネージャーになりたいなら、「今の仕事量をうまく管理できる方法を考えてみて欲しい」とか…
両方とも良いアイディアですね。「今」と「未来」を結びつけられるような課題は、両方をうまく併せれば見つかりそうです
確かに!これならモチベーションも戻ってきそうね!
彼が目指す理想の未来に向けて、「これは大事なステップだ」という話もできるしね!
実際、ちゃんとした勉強になりそうだしね
まとめ
では今回の内容をまとめてみましょう
- モチベーション低下の原因は、裁量が少ないと感じていることや、他の社員の尻拭いが多いこと。
- 部下が求めているキャリア目標や将来のビジョンを明確に把握することが重要。
- 「陰性所見」のように、気づいていないことや欠けている情報に注意を払う。
- 現在の仕事と将来のキャリア目標を結びつけるような課題を与えることで、やる気を回復。
- 仕事の裁量を与え、業務効率を向上させる方法を自ら考えさせることで、成長の機会を提供する。
今日はどうもありがとう!参考になったわ!ラクさん、トクコさん、あと…俗で雑なワンちゃん!
おぉい!その覚え方が、雑!!
また何かあれば、いつでもお越しください
そうそう。私たちの「ラクとトクコのいる職場」にね!
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