こんにちは!ラクです。
この会社、辞めたくない。
続けたい。でも、続けられない…
そんな風に思ったこと、ありませんか?

そりゃまぁ、生活かかってるわけだしな



でも、しんどいところで無理し続けるのも…って感じもするね



今回は、以前私のチームにいたNさんが退職したときの話について、ご紹介したいと思います。
今回も、ちょっとエッセイ風にしてお伝えしていきます!
でも、いつも通りラク・トクコ・バウの3人も一緒にお話ししていきます!
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笑いのセンスが光るNさん


Nさんは、気のいいおじさんだった。
彼のツッコミは鋭く、時々口にする冗談が絶妙に面白かった。
「お笑いの道に進んでいたら、きっと成功していただろう」と何度も思ったほどだ。
彼は、タイプライターが職場にあった時代から会社に勤めていた。
昔は、紙に書かれたデータをタイプライターでひたすら打ち込む仕事をしていたという。


私がそんな彼のマネージャーになったのは、30代の頃だった。
当時の私など、彼にとっては「生意気な子供」に見えていたかもしれない。
しかし、Nさんはそんな私にも一人の社会人として接してくれた。
その点では、とても紳士的で、落ち着いた人だったと思う。
だからこそ、彼に「戦力外通告」をしなければならなかった時は、本当に辛かった。
望まない異動、苦しい日々


Nさんが私の部署(コールセンターのような部署)に異動してきたのは50歳を過ぎた頃だった。
本人が望んだわけではなく、前の部署の上司との関係がうまくいかなかったことが原因だった。
最初、私たちは彼を歓迎した。彼は港での実務経験が豊富で、そうした知識を持つ人材は、私たちの部署では貴重だったからだ。
しかし、現実は厳しかった。
コールセンターの仕事は、1日50件ほどの電話対応をこなしながら、それぞれの案件を適切に処理しなければならない。
昼間は電話が鳴り続けるため、落ち着いて問題を解決する時間などほとんどない。
どうしても処理しきれなかった案件を抱えた人は、遅くまで残業することも多かった。


Nさんは、こうした環境に適応するのが難しかった。
前の部署では案件が多くなく、仕事のペースがまったく違ったのだろう。
彼は必死に慣れようと努力していたが、やがて仕事中に暑くもないのに汗をかくようになった。
心配になり、時々休憩を取るよう促したが、それでも状況は改善しなかった。
ミスが増え、社外秘の資料を顧客に誤送信することもあった。
ついには「対応が遅い」と、顧客からクレームが入るようになった。
何度も面談し、業務の進め方を一緒に考えた。
しかし、残念ながら彼が独り立ちする見込みは薄かった。



やっぱり…向き不向きはあるからなぁ



本当に、そのとおりですね
冷たくなるチームの視線
コールセンターは、見た目には個人がそれぞれ対応しているように見えるが、実は強いチームワークが求められる。
一人でも戦力にならない人がいると、他のメンバーの負担が増えてしまうからだ。
次第に、Nさんに対するチームの目は厳しくなっていった。
「ラクさん、あの人はウチの部署には向いていないと思います。」


そんな声が、チーム内から聞こえてくるようになった。
それからというもの、ほぼ毎日のようにNさんと1対1で面談をし、仕事を一緒に進めるようにした。
しかし、どれだけ支援しても、彼がこの仕事をこなせるようになるとは思えなかった。
退職を決断したNさん


そんな日々が続いたある日、Nさんの方から「辞めます」と切り出された。
その言葉を聞いたとき、私は何とも言えない気持ちになった。
動転していて、具体的に何を言われたのかはよく覚えていない。
ただ、彼はかつてのような冗談めいた表情で、少し意地悪そうに笑いながらこう言った気がする。
「これ以上ご迷惑をおかけするわけにもいかないし・・・邪魔者がいなくなって良かったですね。」


しかし、単に辞めるのではなく、同業他社への転職が決まったという。
その言葉を聞いたとき、心底ホッとした。本当に良かった。



Nさんは、向いている仕事が見つかったのか?



一応、同じ業界の仕事が見つかったようですよ
会社を去ることは、敗北ではない


Nさんが退職する1ヶ月後、彼のお別れ会を開いた。
本人の意思で辞めるわけではないのに、こうした会を開くのが適切なのかどうか迷った。
しかし、彼の人柄を慕う人は多く、彼と最後に飲みたいと集まってくれた。
改めて思う。
Nさんが「無能だった」わけではない。
彼に適した仕事が、会社の中になくなってしまっただけ。
ただ、それだけ。
同じような経験をした人も多いのではないだろうか。
会社というのは、非情なものだ。
しかし、だからこそ「どうすれば会社に居続けられるか」ではなく、「何が自分にとって居心地の良い人生か」を考えるべきなのかもしれない。会社が非情と分かっていれば、こちらもそもそも情を持つことを避けた方がいい。
これは、Nさんだけの話ではない。私自身にも言えることだ。
今の仕事が、これからも自分にとって最適な場所であり続けるとは限らない。
もし、自分がここに居続けることに疑問を持つ日が来たら、そのときは「会社にしがみつくこと」よりも、「心が豊かになる選択」を考えたい。
最後に付け加えると、異動前にNさんを追い込んだ元上司も、後にパワハラが原因で退職に追い込まれたという。



そうね。会社の「外の世界」はドーンと広いからね!



そうだそうだ。ドーンだ、ドーン


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