Scene 10 ~過ぎた観察力~

~今日は、トクコたちの会社が作っているペットフードについて、

そのパッケージ業者が複数、営業のために訪問していた~

 

トクコ:「あ、こ…こ、こんにちは~」

業者A:「あ、トクコさん、ですね?

 

はじめまして!

いつもお世話になっています!

ABCコーポレーションです!

 

…って、あれ?

お子さんとペット連れですか?」

 

(トクコ:あかん、

明らかに変態を見る目や…

ラクさん、バウさん、

とりあえず笑顔で!)

 

トクコ:「あ、い…いや~…

こ、これは…えーっと…

お子さんとペットっていうか…」

 

ラク:「ママー(棒読み)」

 

(トクコ:誰がママやねん!)

 

バウ:「ワンーワンワン!」(ママーおなか空いた)

 

(トクコ:そっちもか!

てか…さっき食べたばっかりやろ!)

 

業者A:「あ、はは…

ぜ…全然問題ありませんよ!

今日はお時間ありがとうございます。

お子さんとワンちゃんには退屈かもしれませんが、

ぜひあちらの席で…」

 

 

(説明を続ける業者A)

 

業者A:「~…というように…

当社では、御社からご要望いただいたパッケージを…

この素材で工夫をした制作をしていまして…

それから…」

 

トクコ:「あ、あの」

 

業者A:「あ、はい。どうされました?」

 

トクコ:「あ、いえ。もしかして、

弊社から提示した買値が、

素材を妥協することに…?」

 

業者A:「…え!!?」

(ギクリ)

 

トクコ:「あ、いえいえ。

気にせんといてください。

あはは…」

 

~そして2つ目の業者~

 

(説明を続ける業者B)

業者B:「~…というコンセプトになっています。

次にパッケージの仕様ですが…

このようになっておりまして…

…つまり…」

 

トクコ:「あ、あのー…」

 

業者A:「あ、はい。な、なんでしょうか?」

 

トクコ:「あ、いえ。

もしかして、

パッケージの品質に、

最近何か問題でも…?」

 

業者B:「…え!!?」

(ギクリ)

トクコ:「あ、いえいえ。な、なんでもないです~。あはは…」

 

~業者との会談を終えたトクコたち~

 

 

ラク:「え、両社とも微妙…?」

トクコ:「えぇ、まぁ…」

 

バウ:「確かに、明らかにワシらのこと、変人扱いしてたしな」

 

トクコ:「でも実際のところ、

相当変な組み合わせやったでしょ…

女性と子供と犬って…

特に犬の方は、サングラスかけてるし

バウ:「嬢ちゃん!!

それじゃ何か?

一番の変人は…ワシか!??」

 

トクコ:「変人っていうか…

変な犬っていうか…

 

変犬(へんけん)っていう

偏見(へんけん)

持たれたんとちゃうかなと…」

 

 

バウ:「…」

 

バウ:「……」

 

バウ:「………」

 

バウ:「………うまッ!!」

 

ラク:「そういえばトクコさん、

ずいぶんと鋭い質問をされていましたね。

 

なぜそこまで業者の方々が

考えていたことが分かったのですか?」

 

トクコ:「そうですね…

最初の眼鏡の男性は…

カバンがアタッシュケースでした。

現実的な一方で、ちょっと自分を実力以上に見せたいのかなという気がします。

 

あと、少し筋肉質でした。

真面目で几帳面な反面、粘着気質というか、

少し怒りっぽいかもしれません。

 

特に素材の話をしているとき、よく足を組み替えたり、

貧乏ゆすりみたいな仕草も見られました。

 

もう少しこちらのオファーが高かったなら、

もっといい素材を仕入れられたのでしょう。

それが気に食わなかったんでしょうね…」

 

 

ラク:「ふむ…」

 

 

トクコ:「次に会った金髪の女性は…

特にパッケージの品質の説明をしていたとき、

手をもじもじさせていたというか、ペンを触ったり、

腕組したり、上半身の仕草が落ち着かない様子でした。

知られたくない何かがあるのかもしれません。

あと、さらに品質の話題の時はよく目が左上を向いていました。

もしかしたら、これまでの他社から受けたクレーム体験などを

思い出していたのかも知れません」

バウ:「ほう……」

 

トクコ:「でもまぁ、業者さんも色々と努力を重ねて、

出来る限りのことをしてくださっているんとちゃうかなと。

ウソをついていたわけやなくて…」

トクコ:「表情や仕草や行動から、あたしがちょっと

違和感を持った時に、聞いちゃったんですよね…」

 

ラク:「……」

(ラク:なるほど。これは…

なかなかの観察力だな…)

 

バウ:「おい、兄弟」

ラク:「分かってますよ」

 

トクコ:「?…どうしはったんですか?」

 

ラク:「いえ、別に。

とても素晴らしい観察力だと思います。

トクコさんのおかげで、会社として損しないですみそうです。」

トクコ:「いえ、そんな…」

 

ラク:「…少し、聞いていいですか?」

トクコ:「はい?」

 

ラク:「その、あなたの観察力は…

なぜ今回、僕たちに見せてくれたのでしょう?」

 

バウ:「…………」

 

トクコ:「……えっ…!?」

 

ラク:「逆にあなたのリスクを

上げてしまったりしたのでは…?」

 

トクコ:「そこまで深いものはないかもですが…

 

…そうですね。

 

今回、なぜかラクさんのママとして

業者さんにも紹介されましたし、

 

ママとして息子に聞きたいこともあるので、

もしよかったら、ちょっと休憩がてら

外に軽く歩きに出ませんか?」

 

 

バウ:「……」

(バウ:…なんか、ワシ、

ちょっとこわい…

ドキドキする…

ワシだけおうちかえろかな…)

 

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