~今日は、トクコたちの会社が作っているペットフードについて、
そのパッケージ業者が複数、営業のために訪問していた~
トクコ:「あ、こ…こ、こんにちは~」
業者A:「あ、トクコさん、ですね?
はじめまして!
いつもお世話になっています!
ABCコーポレーションです!
…って、あれ?
お子さんとペット連れですか?」
(トクコ:あかん、
明らかに変態を見る目や…
ラクさん、バウさん、
とりあえず笑顔で!)
トクコ:「あ、い…いや~…
こ、これは…えーっと…
お子さんとペットっていうか…」
ラク:「ママー(棒読み)」
(トクコ:誰がママやねん!)
バウ:「ワンーワンワン!」(ママーおなか空いた)
(トクコ:そっちもか!
てか…さっき食べたばっかりやろ!)
業者A:「あ、はは…
ぜ…全然問題ありませんよ!
今日はお時間ありがとうございます。
お子さんとワンちゃんには退屈かもしれませんが、
ぜひあちらの席で…」
(説明を続ける業者A)
業者A:「~…というように…
当社では、御社からご要望いただいたパッケージを…
この素材で工夫をした制作をしていまして…
それから…」
トクコ:「あ、あの」
業者A:「あ、はい。どうされました?」
トクコ:「あ、いえ。もしかして、
弊社から提示した買値が、
素材を妥協することに…?」
業者A:「…え!!?」
(ギクリ)
トクコ:「あ、いえいえ。
気にせんといてください。
あはは…」
~そして2つ目の業者~
(説明を続ける業者B)
業者B:「~…というコンセプトになっています。
次にパッケージの仕様ですが…
このようになっておりまして…
…つまり…」
トクコ:「あ、あのー…」
業者A:「あ、はい。な、なんでしょうか?」
トクコ:「あ、いえ。
もしかして、
パッケージの品質に、
最近何か問題でも…?」
業者B:「…え!!?」
(ギクリ)
トクコ:「あ、いえいえ。な、なんでもないです~。あはは…」
~業者との会談を終えたトクコたち~
ラク:「え、両社とも微妙…?」
トクコ:「えぇ、まぁ…」
バウ:「確かに、明らかにワシらのこと、変人扱いしてたしな」
トクコ:「でも実際のところ、
相当変な組み合わせやったでしょ…
女性と子供と犬って…
特に犬の方は、サングラスかけてるし…」
バウ:「嬢ちゃん!!
それじゃ何か?
一番の変人は…ワシか!??」
トクコ:「変人っていうか…
変な犬っていうか…
変犬(へんけん)っていう
偏見(へんけん)を
持たれたんとちゃうかなと…」
バウ:「…」
バウ:「……」
バウ:「………」
バウ:「………うまッ!!」
ラク:「そういえばトクコさん、
ずいぶんと鋭い質問をされていましたね。
なぜそこまで業者の方々が
考えていたことが分かったのですか?」
トクコ:「そうですね…
最初の眼鏡の男性は…
カバンがアタッシュケースでした。
現実的な一方で、ちょっと自分を実力以上に見せたいのかなという気がします。
あと、少し筋肉質でした。
真面目で几帳面な反面、粘着気質というか、
少し怒りっぽいかもしれません。
特に素材の話をしているとき、よく足を組み替えたり、
貧乏ゆすりみたいな仕草も見られました。
もう少しこちらのオファーが高かったなら、
もっといい素材を仕入れられたのでしょう。
それが気に食わなかったんでしょうね…」
ラク:「ふむ…」
トクコ:「次に会った金髪の女性は…
特にパッケージの品質の説明をしていたとき、
手をもじもじさせていたというか、ペンを触ったり、
腕組したり、上半身の仕草が落ち着かない様子でした。
知られたくない何かがあるのかもしれません。
あと、さらに品質の話題の時はよく目が左上を向いていました。
もしかしたら、これまでの他社から受けたクレーム体験などを
思い出していたのかも知れません」
バウ:「ほう……」
トクコ:「でもまぁ、業者さんも色々と努力を重ねて、
出来る限りのことをしてくださっているんとちゃうかなと。
ウソをついていたわけやなくて…」
トクコ:「表情や仕草や行動から、あたしがちょっと
違和感を持った時に、聞いちゃったんですよね…」
ラク:「……」
(ラク:なるほど。これは…
なかなかの観察力だな…)
バウ:「おい、兄弟」
ラク:「分かってますよ」
トクコ:「?…どうしはったんですか?」
ラク:「いえ、別に。
とても素晴らしい観察力だと思います。
トクコさんのおかげで、会社として損しないですみそうです。」
トクコ:「いえ、そんな…」
ラク:「…少し、聞いていいですか?」
トクコ:「はい?」
ラク:「その、あなたの観察力は…
なぜ今回、僕たちに見せてくれたのでしょう?」
バウ:「…………」
トクコ:「……えっ…!?」
ラク:「逆にあなたのリスクを
上げてしまったりしたのでは…?」
トクコ:「そこまで深いものはないかもですが…
…そうですね。
今回、なぜかラクさんのママとして
業者さんにも紹介されましたし、
ママとして息子に聞きたいこともあるので、
もしよかったら、ちょっと休憩がてら
外に軽く歩きに出ませんか?」
バウ:「……」
(バウ:…なんか、ワシ、
ちょっとこわい…
ドキドキする…
ワシだけおうちかえろかな…)
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