トクコ:「ラクさん、ただいま戻りました」
ラク:「あ、はい、おかえりなさい…」
トクコ:「また今回も難しいテーマでしたねぇ…
社内で意見の対立があったときには、
論破を目指すのではなく、当事者意識を超えて
共通課題が無いか検討する…」
ラク:「そうですね…簡単なようで、実は本当に難しいテーマです。」
トクコ:「あの、これってラクさんだったら、カンタンにできちゃうんですか?」
ラク:「いやいや、まさか。
やっぱりどうやったってダメなときはダメですよ。
そのときの自分や相手の調子や、抱えている他の問題…
社内関係者のプライドだったり…
思っているより複雑なんです。
それに…
結局のところ、譲り合いになっちゃうんですよね」
トクコ:「譲り合い…?」
ラク:「相手のことを傷つけないように、相手の意見を尊重して、
自分と相手との間で、折り合いをつけようとする…
すると、どうなると思いますか?」
トクコ:「…うーーん… 議論が深くならない…とか?」
ラク:「はい、そんな感じですね…
よく言う、『忖度』というやつです。
それだと、あまり新しいアイディアにはなりにくいんですよね。
なんとなく、どこかで聞いたものだったり、
大して進歩が期待できないような提案だったり…」
トクコ:「……」
ラク:「僕の経験上、みんなが無難って思うものは、
あまり状況を好転させる案じゃないことが多いですね。」
トクコ:「…なるほど。じゃあ、案外、『なぁなぁ』というか、
曖昧な感じになっちゃうと…社内政治的な対立は起きないけど、
議論を避けてしまうから、深いとこまで考えなくなる…みたいな感じでしょうか」
ラク:「はい、そうですね。
ここが難しいところで…
本当に価値のある議論を目指すのであれば、
相手の論点に疑問を持つところや、逆に自分の論点の弱点を考えたり…
あるいはどういったリスクを踏まえたうえで、
前に進むのかを決める必要があります。」
トクコ:「リスク…
でもそれって…難しいですね…
お互いの信頼関係というか、
この人だったら何を言っても大丈夫だろうという、
その場限りの言葉だけじゃない人間関係の結びつきのようなものが、
基盤にあってこそできそうな気がしますね。」
ラク:「そうなんですよね。
でもそうしないと、『とがったアイディア』は採用されなくて。
なんとなく、みんなが合意しそうな、『角の取れた丸いアイディア』が採択されがちです。
でもそれは現状を大きく変えてくれるものではありません。
いい議論のためには、人間関係の基盤と、リスクを受け入れるという認識が、
周りと共有できている必要がありますね」
トクコ:「…それって…ラクさんはご経験されたことあります?」
ラク:「ごくごくわずかですが、あります。
ただ、議論はしたものの、しかし最終的には『それやってみようよ』みたいな
そんな軽いノリだったことも多いです」
トクコ:「軽いノリ…」
ラク:「たとえば外国人も多く参加する会議だと、
『お互いの文化背景とか、分かんなくて当然だよね。
だからまず言ってみようよ。お互いに尊重してみようよ。
そのうえで、決めていこうよ』という雰囲気を作りやすいんですよね」
トクコ:「そうか…
案外お互いに『言わなくても分かるでしょ』が無いからこそ、
話し合いが活発になることも多い…」
ラク:「そうなんですよ。
ある意味、相手の言葉を額面通り受け取らざるを得ない。
『いやいや、そんなことないでしょ』とか、
こちらの常識で相手を判断できないので。
そこが変な意味での信頼感というか、話してて面白いところではありますね。」
ラク:「ただまぁ、これも別に、
良いか悪いかは、分かりませんね。」
トクコ:「ええ!??」
ラク:「まぁ、だからこそ、
社内で意見の対立があったときには、
論破を目指すのではなく、当事者意識を超えて
共通課題が無いか検討する…
まずはそこを念頭に置いておけばいいと思います。」
トクコ:「…な、なんや難しいなぁ…」
ラク:「関西人のお笑いだって、
関西人特有の雰囲気の中で生まれてきたものだと思います。
お互いのことをツーカーで分かっているからこそ、
独特な文化を生み出せるってこともあるので…
トクコさんも結構、独特ですよ」
トクコ:「それ、ほめてへんやろ」
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