トクコはランチの時間になり、一人で近くの植物たちと話していた。
トクコ:「なんかさぁ、やっぱり人の考えてることって…
分からへんよなぁ…」
植物A:「うーーん、そう…?」
トクコ:「あたしは動物とか植物と関しては、
仕草とか表情とかから割と理解できるけど、
人間ってもっとなんか複雑な気がする。」
植物B:「なるほどねぇ…って、最近何かあったの?」
トクコ:「うん。部下のマナコから相談があって。
隣の課に、プロジェクトのヘルプをお願いをしてるらしいんやけど…
全然返事くれへんねんて。」
植物A:「ふーん…」
トクコ:「以前、その課のお願いを断ったりしたから、
嫌がらせだーって、マナコは言ってるんやけど、ほんまかなぁ…
部下にいいアドバイスが出来たらなぁ…
うーん、どうしたもんか…」
植物B:「…そうだねぇ…
ここはやっぱり…」
バウ:「ここはやっぱり、
バウさんじゃろが!」
トクコ:「どわぁ!
きゅ…急に出てこないでくださいよ!!
いったいどうしたんですか!!?
…って、あれ?
バウさん、植物の言葉が…分かるんですか??」
バウ:「当たり前じゃ!
ワシはこう見えて…
犬じゃ!」
トクコ:「……」
(トクコ:…あかん、説明になってへん…)
バウ:「…しかし、なんだな。お嬢ちゃん、植物とも話せたのか。」
トクコ:「え、えぇ、まぁ…」
バウ:「…生まれつきか?」
トクコ:「そうですね… でも、より強く感じるというか、
触れ合うことができることになったのは…
中学くらいのときからかな…」
バウ:「…そうか…ラクも稀有な人生を歩んどるが、
お嬢ちゃんも相当変わった人生じゃな…」
トクコ:「そう……ですね」
バウ:「その観察眼の鋭さゆえ、
これまで見たくないものも見えてきたじゃろう…
いや、望まないのに、継続して見えてしまっていたというべきか…
さぞ、疲れるじゃろな…」
トクコ:「……!」
バウ:「…まぁ良い。今は、深くは聞くまい。
さて、お嬢ちゃんの部下の話か…
隣の部署にプロジェクトのヘルプをお願いをしてるのに、
過去にあちらからの依頼を断ったから、嫌がらせされてるかもってことじゃったな…
トクコ:「…え、えぇ…」
バウ:「…それは、ズバリ…
即欲が原因じゃ!」
トクコ:「…えぇーーーー、
今回も即欲??
う、うそやぁ…」
バウ:「何を言うか!わが任侠道に懸けて本当じゃ!
良いか。結局のところ『すぐに満たされたい』という欲が絡んどる。」
トクコ:「えぇーーー…そうなんですか?」
バウ:「相手のことを悪く思う方が、
自分にとって都合がよかったりするんじゃ。
要は、すぐに白黒つけたいっていう欲にかられとる。」
(トクコ:な、なんか意外と…
まともな答えやったな…)
トクコ:「な…なるほど…
い、いちおう、ラクさんにも聞いてみよかなー…」
バウ:「何でじゃ!
ワシのナイスなアドバイスで十分!
ラクが…ラクごときが、どうしたぁ!!」
ラク:「僕がどうかしましたか」
バウ:「ぎゃー!
出たーーー!
に、人間!!」
ラク:「人間ってなんですか(汗)
別に珍しくないでしょ…」
バウ:「…」
バウ:「……」
バウ:「確かに!」
ラク:「トクコさん、残念ながらバウさんの言ってることは半分本当です」
(トクコ:半分なんや…)
ラク:「個人的な感情にかられているのは相手の方である可能性もありますが…
避けていては自分の仕事が終わらないことになってしまいますね。」
トクコ:「そうなんですよねぇ。」
ラク:「一方で、別に悪い方向に考えることは、
悪いことではないとも思っています。
何よりそれは本能なので、避けられません。」
トクコ:「??」
ラク:「最近ではよく…
他の人のことなんて気にするのやめようとか、
あの人の言うことなんて放っておこうとか
そういう風潮はありますが…
SNSで見ず知らずの人が言うことであれば
全然それでいいんですけど、
SNSと職場は違います。」
ラク:「マジカルゲート、オープン!」
ラク:「続きは、あちらの僕からお伝えします。」
バウ:「…おぉ…!マジカルゲート!
すっかり使いこなしてるのぉ」
トクコ:「あ、はいはーい。
じゃあちょっと…行ってきますねぇ」
(トクコ:なんかもうこの変な日常、
慣れてきたなぁ…)
読者の皆様は、下にあるマジカルゲートをクリックしていただき、
別の世界におけるラクとトクコの会話をお楽しみください!