(人事部の前)
(トクコ:どうしよ…
ここまで来て…
ホントにいいのか…
私に務まるんやろか)

ラク:「大丈夫です、トクコさん。
僕たちがついています。」
(ラク:…
なんか、トクコさん硬いな…
あ、
そうだ…)
ラク:「トクコさん、緊張されてますね?」

トクコ:「な、
なに?急に💦」
ラク:「…
何度か髪を触る仕草。
乾いている口。
落ち着きのない指。
…
少し浅い呼吸。
少し上がっている肩。
扉から半歩離れてる立ち位置…」
トクコ:「…な…なんでここにきて観察を…」

ラク:「おっと。
やってしまいましたね」
トクコ:「…え…?」
ラク:「見えてしまう。
止めたくても止められない。
…
だから…
つい言ってしまう。
そして…
…相手を困らせてしまう」


ラク:「でも、今日からは違います。
トクコさんは一人じゃありません。
…
きっと、
僕たちにできることがあるはずです。」

バウ:「…
いいんじゃねぇの?
…こっから3人で再スタートってことでよ」
トクコ:「…そうね」
ラク:「気分、ほぐれましたか?」
トクコ:「うん…ありがと。」
(人事部のドアをノック)

人事:「トクコさん!お疲れ様です。
…あ、ラクさんも」
トクコ:「お疲れ様です。
あの…リーダーの件なんですが…」
人事:「ええ、ええ、お待ちしてました!」
(トクコ:よし…言うぞ…)
トクコ:「や…やらせていただきます」

人事:「本当ですか!?
ありがとうございます!
いやぁ、お引き受けいただけて本当に良かった」
ラク:「よろしくお願いします」
人事:「こちらこそ!
それでは早速ですが、 チームの皆さんに紹介させていただきますね」
トクコ:「ええ、も、もう?」
人事:「では、
会議室にお呼びしますので、 少々お待ちください」
(会議室。チームメンバーが集まっている)
人事:「皆さん、お疲れ様です。
今日は大切なご報告があります」
マナミ:「何でしょうか?」

ツトム:「急に呼び出しって…
何かあったのか?」

人事:「良いお知らせです。
この部署もずっとリーダーが不在でしたが…
ようやく、新しいリーダーが決まりました。」
全員:「えっ?」
人事:「先日入社されたトクコさんです」
(トクコが入室)
トクコ:「は…初めまして…トクコです。
先日入社したばかりで、至らない点も多いと思いますが…
よろしくお願いします」
ケンジ:「あ!
さっき廊下でお会いした…
トクコさん!」

ユカ:「あら、
ケンジくんとはもうお知り合いなの?」

ケンジ:「はい!
書類を一緒に拾っていただいて」
ツトム:「ちょ…ちょっと待ってくれ。
新人がいきなり…リーダー?」
マナミ:「…あの、
前職でそういったご経験を?」
トクコ:「い…いえ、
リーダー職は初めてです」

全員:「……?」

ツトム:「で、ではなぜ…」
人事:「トクコさんには、
その優れた観察力を、
ぜひチーム運営に活かしていただきたいと考えています」
ツトム:「観察力…?
なんだそれ?
具体的にどんな?」
(トクコ:え…
あわわ…
な…なんて答えよう…)

マナミ:「それ…
私たちを観察するってことですか?」
人事:「そして…
もう一つご紹介があります」

(トクコ:この人事の人、
なんかめっちゃ強引に進めはるな!
みんなの反応、お構いなしか!)
(ラクが入室)
ラク:「失礼します」

人事:「こちらはラクさんです。
弊社の新しい取り組みである『新人リーダー育成プログラム』の
特別アドバイザーとして参加していただきます」
全員:「……??」

ユカ:「…あの、失礼ですが
…お若いですね?」
ツトム:「若いっていうか…」
マナミ:「子供じゃないですか」
人事:「はい。
ラクさんは海外の教育機関との提携により、
観察の分野で特別な研究をされている方です。
年齢に関係なく、非常に高い専門性をお持ちです」
ツトム:「おいおい、
これはドッキリか何かか?
色々忙しいんだが」
マナミ:「具体的にどの国の、
どちらの機関でしょうか?」
人事:「申し訳ありませんが、契約上詳細はお話しできません。
でも、皆さんの業務改善に
大きく貢献してくださるでしょう」
ツトム:「し…しかし、いくらなんでも…」
(トクコ:海外の専門機関?
観察の分野??
こ…この子は、いったい…?

それにしても…
あぁ…
雰囲気が最悪になってきた…
どうしよう…)
マナミ:「あの、その前に…
タクトさんは、もうお戻りにならないのでしょうか?」



