~エピソード11~ユカとケンジ~

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(人事のオリエンテーションが終わり、オフィスから帰宅しようとするトクコ)

 

(トクコ : …あぁーーーー…疲れた。

やっぱ転職、しんどいな。

前の会社のしがらみは無くなったけど。

そもそもあの前の会社のアホ上司のメールが朝に来たのが、

今日疲れた一番の原因やな‥‥

 

そういえばラクさん、なんで人間の観察をするななんて言うんやろ…

なんか不快にさせたかな…

でも励ましてくれてたし、ええ人っぽいな…)

 

???:「ごきげんよう」

 

トクコ : 「え?

あ、ど、どうも、

ご…ごきげんようです…

(トクコ : き…着物?

 

な…なんか、大人っぽいひとやなぁ…!

びっくりしたわ。

この会社、結構個性派が多いというか、なんというか…

まぁ自由な社風ってカンジはするなぁ…

 

(トクコ : うーん…年齢不詳…!

でも年上なのは、間違いなさそうやなぁ…

 

しかし今日は疲れたわ…

早く帰って、寝よ………)

 

 


ケンジ:「ユカさん、お疲れ様です」

 

ユカ:「あら、ケンジさん、ごきげんよう。

…あの、もしかして先ほどのブルーのストライプシャツの女性は…」

 

ケンジ:「あぁ、トクコさんっすか?

ウチに転職してきて、今日が初日だったみたいっす!」

 

ユカ:「あら、彼女が…そうなのですね。」

ケンジ:「最近、ラクさんの仕事範囲が増えてきて大変そうだから、

リーダー候補で採用されたみたいっすね!」

 

ユカ:「まぁ、リーダー候補で…」

 

ケンジ:「いやー!ラクさんの負担もこれで少なくなるし!

ボクらの負担もついでの軽くなれば、言うことなし!ハハハ!」

 

ユカ:「…そうですね」

 

ケンジ:「トクコさん、入社したてで分からないこときっと多いだろうから、

色々助けてあげながら、一緒に頑張っていきましょうね!」

 

ユカ:「……」

ケンジ:「…ユカさん…?」

 

ユカ:「…あ、え、えぇ。もちろんですわ。

今日は別の用事があってお話しできなかったけど、

明日お話しできるのを楽しみにしております。」

 

ケンジ:「ですね!!」


 

(その頃、オフィスの会議室で…)

 

バウ:「ラク、おめぇホントにあのお嬢ちゃんをリーダーに据えるつもりか?」

 

ラク:「…どうしましょうね…」

バウ:「まだちょっと、早ぇんじゃねぇの?

今日見て分かっただろうが、まだ不安定だぞ」

 

ラク:「…でもあの人は、バウさんの予知夢に出てきた方でしょ?」

 

バウ:「…まぁ…そうだが……」

 

ラク:「…大丈夫。なんとかなりますよ」

バウ:「珍しいな。おめぇにしては楽天的じゃねぇか」

 

ラク:「そうですか?」

 

バウ:「いつもなら、理屈っぽく何か言うだろ」

 

ラク:「……うーん…

彼女、前の会社の上司に対して、

怒ってたんでしょ?」

 

バウ:「あぁ。なかなかヘビーなメールだったぞ、あれは…

 

ラク:「…その『怒ってた』っていうのが、大事かなって」

 

バウ:「どういうことだ?

ラク:「…きっと彼女、ちゃんと前の上司にもキチンと話したと思うんです。

自分がちゃんと仕事をやったこと。」

 

バウ:「あぁ。本人もそう言ってたな

 

ラク:「…それでも、状況が変わらなかった。」

 

バウ:「……

 

ラク:「彼女の中には今、『こんな上司はイヤだ』というイメージが

クリアにあります。だからこそ、チャンスなのかなって」

 

バウ:「……まぁ、ワシと考えることは同じだな

 

ラク:「…じゃ、決まりですね」

 

バウ:「……おい、ラク」

 

ラク:「…はい?」

 

バウ:「おめぇも、あんま根詰めんなよ」

 

ラク:「…はい」

バウ:「でも、今度からもっといい感じの部下の励まし方は、考えとけよ」

 

ラク:「……最善を尽くします……」

 

次回について

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第一話は、以下から!

~エピソード 0~ – ラクとトクコのいる職場 (managerbeginner.com)

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シーン別 – ラクとトクコのいる職場 (managerbeginner.com)

参考文献について

なお、この「ラクとトクコの職場(ストーリー編)における「トクコの能力」は…

FBI、CIA、スコットランドヤード、アメリカ陸海軍、ナショナルガード、シークレットサービスなど、名だたる機関に対して行われた「エイミー・E・ハーマン」さんの「知覚の技法」を基に作っています。

つまり、実在する技法です。

(「イスパイアル」の名称は、私が勝手に物語を分かりやすくするためだけに作ったものですが…笑

そして、もちろん「5倍の速さで観測できる」というのも、本ストーリーオリジナルの設定です。)

まだまだ序の口なので、これからどんどん「実生活に活かせるような形」でご紹介できればと思います。

本書では、アートを教材として情報収集能力、思考力、判断力、伝達力、質問力などを鍛えるコツが記載されています。

 

 

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