~エピソード6~ツトムとマナミ~

トクコ:「見ようとしていないって…

どういうことですか?」

 

バウ:「それは…

ん?

お嬢ちゃん、時計も見なくていいのか?

 

トクコ:「へ???」

トクコ:「きゃああ!

8時半!

2日目から遅刻とか!」

 

バウ:「悩むなとか、無駄とか、

誰かが言うから…こんなことに…」

 

トクコ:「それアナタですよね?

とりあえず、私行きます!

ご忠告どうも!」

 

バウ:「あぁ、またな」

(バウ………)

(トクコ…「また、な?」

あかん、気にしてたら遅刻する!)

(トクコ…ギリギリセーフ!!!!)

(トクコ…な…なんとか間に合った…

まったく…昨日から

ヘンなことばかり…

 

男の声:「いや~…助かったよ。

ラクさんのおかげで…」

 

女の声:「ツトムさん…

ラクさんばかりに頼っていられませんよ。

もっと計画的に進めた方がいいです。」

 

(トクコ……?

なんか、そこの部屋から声が…

あのラクとかいう人と、同じチームの人たちかな…

一人はさっき居た「ツトム」って猫好きの人やな…

ツトム:「ん?いやー…

それは分かってるんだがな…

どうもチマチマやるのはな…」

 

女の声:「チマチマ…そうですか。

しかし考慮すべきリスクは、

キチンと考慮したほうがいいですね。」

 

ツトム:「……

まぁマナミさんは、無難なのがお好きですよね」

 

マナミ:「…と、言いますと?」

ツトム:「…案はいいが…少し動き出すのが遅いのでは?」

 

マナミ:「考えずに動くよりはマシだと思うのですが」

(トクコ……やれやれ…

ここもか。

ギスギスしてんなぁ…

?:「あなたが、トクコさんですね?」

トクコ:「うぇっ!!」

ラク:「あ、そのままで。

斬新なリアクションですね。

挨拶は、後でゆっくり。

人事から話は聞いています。

観察が非常にお得意だと。」

 

トクコ:「…あ、いえ…

はぁ…まぁ…」

 

ラク:「もし良かったら、今このまま、

あの2人についてどう見えるか、

教えていただけますか?」

 

トクコ:「…え…でも…

いくら私でも、

そんなすぐには…」

 

ラク:「今見えているもの、で、構いません」

 

(トクコ……で、でも、

「自分が関わるかも知れない

職場の人間」の観察は…

いずれ、自分に矛先が向かうかもって思うと…

 

って……

 

…まさか…

これが「見ようとしてない」ってこと…?

 

ふーーーー… 

考えるの、後にするか!)

 

トクコ:「……分かりました!」

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