こんにちは!ラクです。
部下と1対1で話すとき、コーチングが出来ればいいけど…
テンプレートみたいなの、無いのかなぁ
そんな風に思うこと、ありませんでしょうか?
しかし…
コーチングにも、GROWモデルにも、テンプレートを使うのはハッキリ言って邪道です!
いくつか例を押さえておくのはアリですが、実践においてテンプレートはオススメできません。

厳しいな



カンタンに言うと、結局テンプレートは「現実を見ない」ことのリスクがあります



リーダー初心者が陥りがちかもね…
今回お伝えしたいのは、以下です!
私がこれまで、外資系で10年以上マネージャーとして部下と接してきた経験を基に…
より現場に即したGROWモデルの活用法をお伝えしていきます!
GROWモデルとは?
まず、カンタンにGROWモデルについてお話ししますね。
GROWモデルは、目標達成と課題解決を体系的に支援するフレームワークです。
その特徴は、以下の4つのステップで進行する点にあります:
明確なゴールを設定する
(例:何を改善する必要がありますか?)
現状を客観的に捉え、課題を浮き彫りにする
(例:今の問題点は何でしょうか?)
様々な解決策を洗い出し、現実的な選択肢を見極める
(例:どのような方法が効果的でしょうか?)
実行可能なアクションプランを決定し、具体的な行動に移す
(例:まず、何から取り掛かりますか?)



これだけ見るとシンプルそうやけど…



シンプルだと思いますよ。だからこそ、観察をしっかり行って、そのときの状況に応じて使うべきです



テンプレがダメな理由か
よくある失敗①テンプレートに頼りすぎ
テンプレートは確かに「あると便利」なのですが、以下のリスクがあります。
たとえば、Reality段階で「テンプレ」に頼ると、実際の状況を深く考えないまま、それっぽい質問をして終わってしまう可能性があります。


誤った状況分析につながってしまうため、その後のOptionも、Willも、当然誤ってしまうわけですね。
そうなってしまうと、GROWモデルをせっかく利用した意味が無くなってしまいます。
よくある失敗②人生観を伝えてしまう
また、GROWモデルなどを使う際、マネージャーがよく勘違いすることがあります。
それは、「自分が部下を成長させないといけない」と思い込みすぎてしまっていることです。


それは、価値観の押しつけになる可能性があります。
しかし、大切なのは会社から与えられている役割に対し、部下に必要な能力を備えてもらうことです。
ここをキチンと理解しないと、GROWモデルもうまく行きません。
よくある失敗②目的を意識しない
GROWモデルの目的は、以下です。


上司は権威を振りかざして業務命令するだけでは、この2つは伸びません。
部下に進むべき道支持するのではなく、より支援的な役割を上司が担うことになります。
GROWモデルは、そのきっかけになります。
GROWモデルを使うべきではない場合
ここが特に、GROWモデルがうまくいかない理由に結びつくことが多いです。
- 技術的なノウハウを伝える場合
- 何をしないといけないか、明確な場合
- 早急に状況の改善が必要な場合
- こちらから伝えることを、そのまま実行してほしい場合
このような場合、GROWモデルは適しません。
前述したとおり、GROWモデルは自立心と責任感を育む目的があるので、
指示的な内容の場合に使うメソッドではありません。


GROWモデルが適している場合
以下のような場合は、GROWモデルが適していると言えます。
・部下に「自分で」解決策を見つけてもらう
・多少時間がかかっても、成長による成功を優先する
・パフォーマンス向上を、自己啓発に委ねる
・部下自身の考えや感情を、より考慮する
ただし、別に部下と話すたびに、毎度GROWを毎度使わないといけないというわけではありません。
気を付けたいところですね。
GROWモデルを使う場面
このアプローチは、部下と1対1で会議を行うときに適しています。
この「パターン」を使用することで、話し合いに筋道が立ちます。
そうすることが、会話を容易にしてくれます。
部下の成長をサポートし、彼らをより自立させ、
責任感を促すような話の流れになっています。


実践ガイドの4ステップ
必ずしも1回の会議で、このGROWのすべてを終える必要はありません。
部下にも咀嚼する時間が必要です。
このモデルを使う大きなメリットは、自分に言わせることです。
結局人間自分が言ったことに一番従うので(笑)
そこがGROWモデルの本質のような気がします。
質問をすることで相手に話をさせ、
部下自身が考え、
答えを出すことで成長を促します。


では、ここからはロールプレイ!
「残業を減らすためには、どうすればいいか?」について、
上司のトクコさんと部下のマナコさんが話をしているシーンです。
ロールプレイ
では、実際にロールプレイを行って、順番に見ていきましょう。
マネージャーであるトクコさんと、部下のA子さんがGROWモデルに基づいて話している様子を見ていただきます。
Goal(目的)の質問例
まず、相手の目的を明らかにすることです。また、その動機も明らかにできます。
- 何を達成したいですか?
- どういう変化があればいいですか?
- 最終的なゴールを目指すために、中間目標はどこでしょう?



残業を3割減らすため、あと3ヶ月で何か達成できるとすれば、何がありそうですかねぇ



うーん…まずは自分が良く対応する案件の、業務プロセス簡素化や迅速化でしょうか…



なるほど。簡素化と迅速化はいい着眼点ですね!
Reality(現実)の質問例
次に、相手が事実についてちゃんと把握していて、思い付きや印象だけで行動を取らないかを確認します。
- 現在既に何か行っていることはありますか?
- 目的を達成するため、何があればいいでしょう?
- 目的の達成には、どういった障害がありそうでしょうか?



ちなみに、今その「簡素化」を行っていらっしゃる業務はありますか?



私の場合は…簡素化のため、定型文がすぐにパソコンで出るような設定を作っています
Option(選択肢)
そして、相手が様々な選択肢を注意深く考えることを促します。
あるいは、全く違う角度から別案を出し、他の案を想起させます。
- 他に何か選択肢がありそうですか?
- どうすれば今の状況を変えられそうですか?
- 目的の達成には、どういった障害がありそうでしょうか?



それはいいですね。今後更に効率を良くするため、何か他の方法は考えられそうでしょうか?例えば隣の部署の人の例だと〇〇〇を使っているようですが…



そうですね。効率化については隣の部署の人にもまず聞いてみようと思います。優秀な方がいらっしゃるので…
Will (意欲)
最後に、ここまで考えてきたことを実行に移すためのサポートをします。
行動の計画や日程を決め、行動の意義を定義づけても良いです。
- では、まず何から取り掛かりますか?
- 次のステップは何でしょう?
- 私の方でサポートできることはありますか?



いいアイディアですね!何か私の方でサポートできそうなことはありますか?



ありがとうございます。今のところは大丈夫だと思います。他の人をマネできることがあればすぐ実践してみたいと思います。
ロールプレイのまとめ
まとめると、以下のとおりです。
自然な会話の流れの中で、ゴールに沿ったアクションを促すことができましたね。
- Goal = 残業の削減のために
- Reality = 今は定型文のリストアップをして作業効率を図っていて
- Option = さらに効率化を進めるために隣の部署の人に聞いてみて
- Will = マネできることがあればマネする


質問で押さえておきたいポイント
実践のコツ①尋問を避ける
実はトクコさんとマナコさんの1対1の会議において、
トクコさんが気を付けていたことがあります。
それは…
「質問」が「尋問」にならないこと!


GROWモデルは相手に話させるため、質問が多いです。
よって、トクコさんが行っていたのは、
「私も考えているんですけど…」という話し方です。
「何がありそうですかねぇ」
「何か他の方法は考えられそうですかね」
「例えば他の部署では…」
実践のコツ②簡単な相槌
また、今回トクコさんが行っていたことがあります。
それは…
簡単な相槌!
「あなたと一緒に考えている」という雰囲気を出します。
そうすることで、質問を繰り返してしまうことを避けられます。
「なるほど」
「それはいいですね」
「確かにそうですよね」
「あ、それは面白いですね」
部下も人間なので、相槌があれば今の自分が認められていることを感じられます。
その状態で、「今後やるべきこと」について上司と合意する。
それができれば、気持ちいいですよね。


実践のコツ③分析と伝達
こちらは繰り返しになりますが、大切なポイントです。
情報を観察により適切に分析し、相手に伝える!
より具体的には以下のとおりです。
- 分析のポイント
- 多角的な視点を持つ
他者の視点に立って問題を考えてみます。
たとえば、「この状況を他の同僚が見たら、どんな印象を持つか?」といったカンジです。
- 優先順位をつける
緊急度と重要度のバランスを考えてみましょう。
- 多角的な視点を持つ
- 伝達のポイント
- 具体性と簡潔さを意識する
長々とした説明は避け、具体的な数値や事例を用いることでメッセージを伝えます。
- 相手に合わせた表現を選ぶ
聞き手の状況や知識レベルに応じて内容を調整し、分かりやすく説明することも大事です。
- 具体性と簡潔さを意識する
実践のコツ④GROWを意識しすぎない
状況に応じて、質問を変えることも大事です。
会話の方向を修正する!
「それだとお客様に迷惑になりませんか?」
「そうすると、xxxさんは困りませんか?」
「それは現実的に可能そうでしょうか?」
「その方法だとどれくらい時間はかかりそうですか?」
GROWモデルの流れだけに固執しないこと。
コーチングの目的から逸れないことが最重要です。


誤った方向性に話が行ってしまったら、キチンと修正する必要があります。
テンプレートに頼りすぎるのではなく、応用もアリですよ!
まとめ
GROWモデルを活用したコーチングは、部下の自立心や責任感を育むための便利な方法です。
しかし、テンプレートに頼りすぎたり、目的を見失うと逆効果になる可能性があります。
- GROWモデルの基本:シンプルなフレームワークを柔軟に活用する。
- よくある失敗例:テンプレート依存や価値観の押しつけを避ける。
- 実践ガイド:自然な会話、相槌、分析・伝達を意識し、尋問にならないよう配慮する。
- GROWを超える対応:状況に応じてモデルの流れを調整し、現実に即した会話を重視する。
GROWモデルはあくまで部下の成長を支援するためのツールです。
「相手が自ら考え、行動し、成長する」ことを促すことが、カギですね!



こんなにうまく話せるものなのか?



それは運次第ですね



運って💦でも話すための指針にはなりそうね


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