テンプレートだけでは不安な人のための「GROWモデル実践ガイド」
こんにちは!ラクです。
「GROWモデルっていうコーチングの手法、
理論は分かるけど、実践だと何かうまくいかないなぁ…」
…と思うこと、ありませんか…?




テンプレートやフレームワークも大事ですが…
「コーチングの目的」と「GROWの目的」…
その両方を理解しておくことが、より大切です。
私がこれまで、外資系で10年以上マネージャーとしてを部下と接してきた経験を基に…
より現場に即したGROWモデルの活用法をお伝えしていきます!
コーチングで誤解しがちなこと
マネージャーが誤解しがちなのが…
「自分が部下を成長させないといけない」と思い込みすぎてしまっていることです。
しかし、自分の人生観を以て、部下を成長させようとするのはNG!
それは、価値観の押しつけになる可能性があります。
大切なのは、会社から与えられている役割に対し、必要な能力を備えてもらうことです。
そもそもここを間違うと、GROWモデルもうまく行きません。
GROWモデルの目的
GROWモデルは、部下の自立心と責任感を育みます。
上司は権威を振りかざして業務命令するだけでは、この2つは伸びません。
部下に進むべき道支持するのではなく、より支援的な役割を上司が担うことになります。
GROWモデルは、そのきっかけになります。
GROWを使うべきではない場合
まず、GROWを使うべきでない場合についてお話しします。
ここが特に、GROWモデルがうまくいかない理由に結ぶことが多いです。
GROWが適さない場合
- 技術的なノウハウを伝える場合
- 何をしないといけないか、明確な場合
- 早急に状況の改善が必要な場合
- こちらから伝えることを、そのまま実行してほしい場合
このような場合、GROWは適しません。
前述したとおり、GROWは自立心と責任感を育む目的があるので、
指示的な内容の場合に使うメソッドではありません。
GROWが適している場合
以下のような場合は、GROWが適していると言えます。
GROWが適している場合
- 部下に「自分で」解決策を見つけてもらう
- 多少時間がかかっても、成長による成功を優先する
- パフォーマンス向上を、自己啓発に委ねる
- 部下自身の考えや感情を、より考慮する
ただし、別に部下と話すたびに、毎度GROWを毎度使わないといけないというわけではありません。
ここが気を付けたいところです。
GROWモデルを使う場面
このアプローチは、部下と1対1で会議を行うときに適しています。
この「パターン」を使用することで、話し合いに筋道が立つので、会話を容易にしてくれます。
部下の成長をサポートし、彼らをより自立させ、責任感を促すような話の流れになっています。
4つのステップ
「GROW」とは、以下4つの頭文字を取ったものです。
GROWモデル
- Goal
- Reality
- Option
- Will
なお、必ずしも1回の会議で、このGROWのすべてを終える必要はありません。
部下も咀嚼する時間が必要だったりします。
その場合は途中で切り上げ、残りは別の日に…でも、全然かまいません。
GROWモデルの本質
では、一つずつ見ていきましょう。
カンタンに言うと、以下について部下の言葉を引き出していきます。
- GOAL … 「目的は何だろう」
- REALITY …「現実はどうだろう」
- OPTION …「選択肢は何だろう」
- WILL …「まず何から取り掛かろう」
結局人間自分が言ったことに一番従います。
GROWモデルの本質はそこです。
質問をすることで相手に話をさせ、部下自身が考え、答えを出すことで成長を促します。




では、ここからロールプレイを見てみましょう!
以下では、上司のトクコさんと部下のマナコさんが、
「残業を減らすためには、どうすればいいか?」について話をしています。
Goal(目的)
ここでは、相手の目的を明らかにすることです。また、その動機も明らかにできます。
(A) 何を達成したいですか?
(B) どういう変化があればいいですか?
(C) 最終的なゴールを目指すために、中間目標はどこでしょう?






Reality(現実)
ここでは、相手が事実についてちゃんと把握していて、思い付きや印象だけで行動を取らないかを確認します。
(A) 現在既に何か行っていることはありますか?
(B)目的を達成するため、何があればいいでしょう?
(C)目的の達成には、どういった障害がありそうでしょうか?




Option(選択肢)
ここでは、相手が様々な選択肢を注意深く考えることを促します。あるいは、全く違う角度から別案を出し、他の案を想起させます。
(A)他に何か選択肢がありそうですか?
(B)どうすれば今の状況を変えられそうですか?
(C)あなたはどの選択肢が好みですか?




Will (意欲)
最後に、ここまで考えてきたことを実行に移すためのサポートをします。行動の計画や日程を決め、行動の意義を定義づけても良いです。
(A)では、まず何から取り掛かりますか?
(B)次のステップは何でしょう?
(C)私の方でサポートできることはありますか?




ロールプレイのまとめ
今回のトクコさんとマナコさんの話をまとめると、以下のとおりです。
自然な会話の流れの中で、ゴールに沿ったアクションを促すことができましたね。
- Goal = 残業の削減のために
- Reality = 今は定型文のリストアップをして作業効率を図っていて
- Option = さらに効率化を進めるために隣の部署の人に聞いてみて
- Will = マネできることがあればマネする
実践のコツ①尋問を避ける
さて、実はトクコさんとマナコさんの1対1の会議において、
トクコさんは「質問」が「尋問」にならないよう、気を付けていました。
GROWモデルは相手に話させるため、質問が多いです。
よって、トクコさんが行っていたのは
「何がありそうですかねぇ」や、
「何か他の方法は考えられそうですかね」や、
「例えば他の部署では…」など…
「私も考えているんですけど…」というような話の展開の仕方です。
実践のコツ②簡単な相槌
また、今回トクコさんが行っているのは、簡単な相槌です。
「あなたと一緒に考えている」という雰囲気を出すことで、質問を繰り返してしまうことを避けられます。
- 「なるほど」
- 「それはいいですね」
- 「確かにそうですよね」
- 「あ、それは面白いですね」
部下も人間なので、相槌があれば今の自分が認められていることを感じられます。
その状態で、「今後やるべきこと」について上司と合意できれば、気持ちいいですよね。
実践のコツ③GROWを意識しすぎない
また、GROWモデルだけに頼らず、会話の方向を修正するような質問をすることも大切です。
- 「それだとお客様に迷惑になりませんか?」
- 「そうすると、xxxさんは困りませんか?」
- 「それは現実的に可能そうでしょうか?」
- 「その方法だとどれくらい時間はかかりそうですか?」
GROWモデルの流れだけに固執しようとすると、コーチングの目的から逸れてしまいます。
誤った方向性に話が行ってしまった場合、キチンと修正する必要があります。
テンプレートに頼りすぎるのではなく、応用もアリだという気持ちでいきましょう!
まとめ
2.Goalで、目的を明らかにする
3.Realityで、現実の状態を確認する
4.Optionで、選択肢を考える
5.Willで、これからの予定を立てる
6.尋問を避け、相槌も使う
7.GROWモデルに頼りすぎない
お願いがあります
さて、ここまで「具体的な対応方法」についてお話させていただきました。
しかし私も当時、即座にこのような行動を取ることはできませんでした。
それは「相手のこと」と「自分のこと」が見極められず、不安が拭えなかったからです。
きっとあなたも、行動に移すには不安があるかと思います。
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そしてそれには「部下が今どの成長段階にあるのか」を知ることが、大きく影響することが分かります。
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