「上司を出せ」というクレーマーの心理と、失敗から学んだ「上司の役割」

(上絵:ラクとトクコの職場~ストーリー編より)

こんにちは!ラクです。

「お前じゃ話にならん!上司を出せ!責任者を出せ!」

こういうクレームが来ると、

「自分の対応が悪いのか?」思ってドキっとしますよね…

でも、心配しないでください。

世の中…やっぱりヘンな人は居ます。

そこそこ、います(笑)

そしてそのことが分かれば、怖くありません。

私が10年以上業界ナンバー1の外資系海運企業でマネージャーしていた経験と、

実際にクレーム課で働いていた方のプロの経験談を基にしています!

《目次》

このブログを書いた人

ラク

  • 業界最大手の欧州企業(従業員10万人以上)の日本支店で部長
  • 管理職は28歳から。10年以上マネジメントとして従事
  • アジア・ヨーロッパ・アメリカで、合計100人以上の組織を動かす

「上司を出せ」の心理

そもそもなぜ、「上司を出せ!」などと言ってくるのか…

それは多くの場合…

「損を絶対に取り返したい」という気持ちがあるからです。

以下は、日本労働組合総連合が2017年に行ったアンケート結果です。

(一般消費者1000人を対象に行った調査で、複数回答形式)

苦情対応で消費者が許せないもの
1位「たらい回し」42%

2位「消費者に落ち度があるような言い方」35%

3位「失礼な言葉づかい」34%

(詳しい内容をお知りになりたい方は、こちらから)

Tokuko (why)
Tokuko (why)
うーーん…確かにこういう対応をされたら、あたしも腹立つなぁ…
そうすると、「このまま何もしないで終わるのは損だ」いう気持ちが働きます。
Raku
Raku

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私の失敗経験…

相手の要求通り上司を出してしまうことは、相手を付けあがらせます。

「この相手は、怒鳴るということを聞く」

そんな印象を与えてしまうからです。

また、クレーマーを付けあがらせるだけではなく、部下自身をも弱くしてしまいます。

「結局自分でこういうクレームは対応できないんだ…」

そんなイメージが定着し、クレームの度に上司が出ることになりかねません。

実際に、私のチームの部下はもうずっと私に甘えっぱなしになり…

何でもかんでもやってあげるべきじゃないなぁと、心から反省しました

チーム全体が、なんだか弱くなっちゃったんですよね…

 

失敗から学んだ上司の役割

だからと言って、上司として「部下に丸投げする」のはダメです。

部下の立場からは「上司に相談する」ことは常に必要です。

しかし、上司の仕事はクレーム処理ではありません。

「上司なんだから、クレーム処理するべきでしょ」は嘘です!

「クレームが来ても、対応できる組織にする」のが、上司の仕事です!

これはまぁ、私も経験上難しいことは十分分かっているのですが…

ただ、部下に伝えなくてはいけないところです。

より具体的には、クレーマーに以下のように思われないような、組織や仕組み作りです。

クレーマーの心理

  • 「やっぱり上司でないと対応できないんだ」(部下では力不足)
  • 「やっぱり上司としても、部下ではダメと思ってるんだ」
  • 「やっぱり上司を出すほどの、大きな問題なんだ」
  • 「やっぱり上司の権限なら、何とか(解決)できるんだ」

クレーマーがこのように思い、自分の会社にプレッシャーをかけてきます。

上司はすぐに部下と連動し、冷静に状況を分析し、対策を考える必要があります。

(対策のアイディアについては、色々後述していますので、ぜひ読んでくださいね)

分析し、対策を練ったら、「今後のクレーム」のために組織にシェアします。

「一緒に考えていこう」

その姿勢を上司としては部下に見せなくてはならず、

一方で部下としても上司の役割を捉え違えないことが重要です。

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とっさの対応

クレームは誰だってそんなにうまく対応できるものではありません。

何言ったって最初は怒ってるんです。

まずは以下「とっさの対応」のテンプレートを知っておきましょう!

やってはいけないこと

  • 相手に横柄な態度をとったり、挑発したりする
  • 損害の賠償を約束する
  • 黙りこんでしまう
  • 改善を約束する

相手に言うべきこと

  • 「私が担当させていただきます」
  • 「お忙しいところ、貴重なご意見ありがとうございます」
  • 「不快な気持ちにさせて申し訳ない」 (損害への謝罪ではない)
  • 「必ず上に申し伝える」 (改善を約束しない)
  • 「社内確認して折り返す」(返答が困難な場合)

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3つの流れを押さえておく

大切なのは「流れを押さえておく」ということです。

ゴールのイメージが湧くので大変ラクになります。

A.感情に配慮する
B.問題に対処する
C.法益を保護する
Tokuko (Kirari)
Tokuko (Kirari)
ふむ。ポイントが分かれば機械的に&落ち着いて対応できそうやな
それに、「余裕ある対応」がやっぱり効果的ですからね
Raku
Raku

では会話例含め、具体的に見ていきましょう!

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A. 感情に配慮する

「上司を出せ」とカッとなって怒っているという感情部分への対応をまず行います。

ポイント

①自分が対応窓口であるということを伝える
相手の言いなりになって上司を出してしまうと、一度相手の要求を呑んだことになります。相手の心理作戦にハマってしまう入り口です。止めましょう。

②しばらく様子を見る
怒ることはエネルギーを使うので、長続きしないです。相手の言い分を聞いているだけでも、トーンダウンしてくる可能性があります。様子を見ましょう。

③相手の味方っぽく振る舞う
「上司と話すともっと条件が厳しくなるかと思う…私が何とか取り次ぎたい」という感じで相手の懐に入り、話をしてもらいます。

 

会話の実例を見る

相手①:「お前じゃ話にならん!お前の上司を出せ!」

自分①:「恐れ入りますが、私が御社の担当です。私が今承りますがいかがでしょうか?」

相手②:「お前じゃダメなんだよ!いいから上司を出せ!」

自分②:「そうは申されましても…宜しければお話を伺えますか?

相手③:「お前、謝ってるだけじゃねーか!もういいから上司を出せよ!」

自分③:「私の上司と話されると、条件が更に厳しくなるかと存じます。私がお取次ぎいたしますが、いかがでしょうか?」

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B. 問題に対処する

相手が「目に見える解決を求めている場合(代替品や金銭など)」は、慎重に対応しましょう。

ポイント

①会話の全体的な流れを意識する
主な流れは「謝罪」→「状況把握」→「解決策の提案」です。ここをイメージしておきましょう。

②絶対にその場で合意しない
何を言われても、絶対すぐに自分個人では合意しないようにしましょう。「社内で確認します」が適切です。

③会話の終盤は、自分の言葉で話す
相手が言っていることに対し、自分の理解が合っているかどうか確かめるような感じで対応しましょう。相手も落ちついてきます。

 

会話の実例を見る

相手①:「この案件、おたくの会社で賠償してくれるんだよな?」

自分①:「恐れ入りますが、すぐにお返事することは難しいです。社内関係者と確認のうえ、折り返しご連絡いたします。」

相手②:「問題が全然分かってねーんじゃねぇのか??いい加減にしろよ!」

自分②:「申し訳ございません。商品欠陥がお怒りの原因だと理解しております。代替品でしたらすぐにお送りできますが、いかがでしょうか?」

相手③:「じゃあもうこの件は、ちゃんと誠意を示してくれるんだよな?」

自分③:「念のため確認させていただきますが、賠償金xx万円をご要望ということで宜しいでしょうか?」

仮に「今後の防止策が無い」ような場合、「必ず上に申し伝えます」と言い、「伝えることを約束する」ことに留めましょう。

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C. 自社の法益保護

ここまでの対策でも対応できない場合…それは「悪質クレーマー」の可能性があります。

自分が被った被害を過剰に伝えてきているか、あるいは意図的に損失以上の補填を求めているような場合です。

この時点まで来たら、必ず上司と連携しましょう。

ポイント

①法律に触れている可能性を示唆する
精神攻撃を行ってくる場合があります。その場合は法律に触れている「可能性」を示唆しましょう(下部に法律の詳細があります)

②電話での応対を止め、メールに切り替える
もう長く話すことに生産性がありません。上司とも相談し、メールに切り替える方法を模索しましょう。

③録音を開始する
悪質な相手には黙って録音を開始してもいいです。あるいは、相手の過激な言動を抑止するため「録音を開始する」と伝えてもいいです。

 

会話の実例を見る

 

相手①:「テメぇ!ふざけてんじゃねぇぞ!ぶっ殺してやる!」

自分①:「それ以上は我々も業務妨害として然るべきところに届け出ますが、宜しいですか?」

相手②:「だからさっきから言ってるじゃねーか。誠意を見せろって!」

自分②:「御社のご要望をきちんと理解し、文書の形で共有するためメールに切り替えさせていただきます。アドレスをお伺いしても宜しいでしょうか?」

相手③:「メルアドを教えろだ??そんな面倒なことするか!」

自分③:「分かりました。では記録保持のため、録音を開始させていただきます。」

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補足:法律上の規定

相手が罵倒して脅してきたり…

精神的苦痛を与えるような行為を取ることがあります。

それらは、威嚇行為にあたる可能性があります。

威嚇行為は、犯罪です!

業務妨害罪が成立することがあります。

[刑法第233条]
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
[刑法第234条]
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

 

業務の安全かつ円滑な遂行は、

法律の利益(法益)として保護されます。

メールなどに切り替えて、相手との話を記録に残すようにしましょう!

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「流れ」のまとめ

「流れ」について、もう一度おさらいです!

A.顧客の感情への配慮

  • 自分が対応窓口であるということを伝える
  • しばらく様子を見る
  • 相手の味方っぽく振る舞う

B.発生している問題の解決

  • 会話の流れを意識する (謝罪→把握→提示)
  • 絶対にその場で合意しない
  • 会話の終盤は、自分の言葉で話す

C.自社の法益保護

  • 法律に触れている可能性を示唆する
  • 電話での応対を止め、メールに切り替える
  • 録音を開始する

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私からのお願い

ここまでのお話で、あなたの不安が少しでも拭えたなら何よりです。

でも、いざ「上司を出せ!」などと言われ不安でパニックになってしまうと、

誰かに相談しようと思っても、冷静に判断ができないことがあります。

そして、やはりあなたが直面している状況は、残念ながら細かいところまでは私には分かりません。

しかし…

今日せっかくこのブログを読んでいただいたこの時間と、

読みながら考えてくださった労力を、無駄にして欲しくはありません。

 

そこで、お願いがあります。

 

ぜひこの機会に、オンラインカウンセリングの無料登録を、済ませてしまってください。

たとえば【エキサイトお悩み相談室】であれば、以下のような特徴があります。

いざというときに自分がパニックになってしまう…

その可能性はあるものの、

「何かあったときには、オンラインカウンセリングに相談すればいい」と考えるだけで、落ち着いて対応できるからです。

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もちろん…仕事や家事のことが頭にあったり、

マンガ読んだりゲームしたくなる気持ちも分かります…!

 

しかし、職場で辛い状況にあるかもしれないあなたに、

せっかくこのブログを訪れて読んでいただいた…

この機会を、ぜひ確実に利用していただきたいと心から思います。

 

なぜなら…

メンタルは、守れるものだから。

しかし、意外とパニックになったときにはそう思えないものです。

ぜひこのブログを読んでいただいた時間と労力を無駄にしないため、1分程度の無料登録を終えておいてください。

必ず心のお守りになってくれます。

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オンラインカウンセリングを利用する際の5つの不安と、その解消法


 

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