トクコ:「はーちゃん、ただいまぁ」
植物のはーちゃん:「あ、トクコ、おかえりー」
トクコ:「あぁ、疲れた…」
はーちゃん:「…初日だしね…」
トクコ:「まぁ、それもあるんやけど」
はーちゃん:「…やっぱり色々見えすぎちゃって、疲れた??」
トクコ:「あーーー……
それで言うと、面白いものが見れたなぁ」
はーちゃん:「…面白いもの?」
トクコ:「うん。朝ごはんカフェで食べてるときに、
なんか、子供が大人を叱っててん(笑)」
はーちゃん:「…は?」
トクコ:「2人の男の人が仕事の話をしててんけど、
上司っぽい方がずっと怒っててさ…
でも驚いたことに、その子供が『いや、上司としての説明が悪い』って、
間から割って入ってん」
はーちゃん:「…え?」
トクコ:「あーーー… んで、
しかももっと驚いたことに、
今日人事と話してたら、
その人がなんかどうも私の次の上司っぽいわ…
奇縁やな…」
はーちゃん:「…えええ??
じゃあ、トクコがリーダーになるとしたら…
…その子供が上司??」
トクコ:「そうみたい。人事の人いわく、なんかワケありっぽい。
別に悪い人じゃないみたいやけど…」
植物のはーちゃん:「…う、うーん… 子供が上司か…
で、トクコ、どうすんの?管理職、引き受けるの??」
トクコ:「………いや……どうしよかな…
どっちかって言うと、やっぱり断ろかなぁと思ってる。」
はーちゃん:「……そう…か……
まぁ、そうだよね。
前の会社の人間関係、辛かったもんね」
トクコ:「………うん。
やっぱりあの時期のこと、思い出してしまって。」
はーちゃん:「……うん……」
トクコ:「リーダーなんて、あぁいう人間の感情がまとまらないカンジを
何とかしていかないといけない仕事なんやろ?きっと」
植物のはーちゃん:「…そうだね…
…
…でもね、トクコ?」
トクコ:「……うん?」
植物のはーちゃん:「…そんなトクコだから、できることもあるかもね」
トクコ:「……え?」
植物のはーちゃん:「…そういう辛さや悲しみを知ってるトクコだからってこと。
それに、トクコの観察力は、よく知ってるしね…」
トクコ:「………………」
はーちゃん:「……今はまだ、
もしかしたら少し早いのかもだけど…
ちょっとだけおせっかい。」
トクコ:「………」
はーちゃん:「…植物の枯れ葉は、いずれ落ちる。
それと同じように、過去も過ぎ去っていく」
トクコ:「………」
植物のはーちゃん:「…で、その後で……
新しい葉が育つんだよね」
トクコ:「……せやな……
…ふー…
どうしたもんか。
とりあえず、一息つくか。
ちょお、キッチンいって紅茶入れるわ。
…はーちゃんも、飲む?」
植物のはーちゃん:「枯れちゃうよ」